38歳元日本代表が「また決めたんだ」 OBが驚嘆…海外でスター集団を束ねる姿に「凄いですよ」

【専門家の目|太田宏介】LAギャラクシーの吉田麻也が鮮やかなバックヒール弾を決めた
米メジャーリーグサッカー(MLS)のロサンゼルス・ギャラクシーは、現地時間8月22日の第22節でモントリオール・インパクトと敵地で対戦し、2-2ドローで終わった。LAギャラクシーに所属する元日本代表DF吉田麻也は鮮やかなバックヒール弾で今季2得点目を記録したなか、同世代の元日本代表DF太田宏介氏が感嘆の声を上げた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)
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「また決めたんだ」
太田氏がそう思わせる勝負強さの裏にある抜群の攻撃センスに舌を巻く。1-1で迎えた後半3分、セットプレーでゴール前まで攻め上がっていた吉田はペナルティースポット付近でゴールに背を向けた体制でパスを受けると、右足のヒールキックでシュートを選択。相手の虚を突いたボールはGKの手を弾き、そのままゴールに吸い込まれた。
CBという守備の要でありながら、時にアタッカー顔負けの技術を見せる吉田。太田氏は「吉田選手って結構決めるじゃないですか。ああいうヒールもそうだし、ものすごいボレーを過去に決めたり。『あ、また決めたんだ』っていう驚きはないけど、持ってますよね」と、その勝負強さを評価する。
LAギャラクシー公式は、テクニシャンであるロナウジーニョ氏とかけてか、ブラジルの国旗付きで「Maya Yoshidinho」と綴った。太田氏は「センターバックであれだけの体格がありながら足元もあるし、臨機応変に対応できる体のしなやかさがある。年に一回、二回は必ずこういうシーンがあるんで」と分析。さらに、「アンダーの時とか、候補合宿の練習試合とかでも『なんか決めるんだよな』みたいな。ゴール前に入っていくタイミングも含めて、攻撃のセンスがありますよね」と、育成年代の初期から備わっていた稀有な「ゴール前の嗅覚」について明かした。
吉田の凄みは、そうした技術的なプレーだけではない。元ドイツ代表MFマルコ・ロイスや、元メキシコ代表FWイルビング・ロサノら世界的なスターが名を連ねるLAギャラクシーにおいて、彼らに指示を出し、チームの軸としてピッチに立ち続けている点にこそ本質があると太田氏は言う。
若い選手が台頭し、スター以外は生き残りが難しいとされる近年のMLS。「出続けるってすごいですよね。吉田選手とかだと当たり前に感じちゃうけど、この競争の激しいMLSで、しかも今、全体的に若手じゃないとなかなか難しいんですよね、世界的なスーパースター以外は。その中で試合に出続けて、キャプテンもやって、すごいですよ。これは選手をやってたからこそその凄さもわかる」と、選手経験者ならではの目線で強調する。
ベテランと呼ばれる年齢になってもなお過酷な競争に勝ち続ける姿は、同世代にとっても大きな勇気となっている。太田氏も「近い世代の選手たちが特に海外で活躍してるっていうニュースはすごく刺激になりますね。いつか見に行きたいですね」と、刺激を受けると同時に心からの敬意を評した。
守備での安定感はもちろん、時に攻撃センスを爆発させてチームを救い、ピッチ外では選手会長やキャプテンとして組織を引っ張る吉田麻也。太田氏は「まだまだプレーで見せてほしいなと思います」とエールを送った。海外の厳しいピッチで証明し続ける37歳は、これからも多くのファンとサッカー界を魅了し続けるはずだ。

太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。


















