プロになれず「本当に辛い」 南米4部→欧州1部へ…J助っ人の異色経歴「自分の夢を」

新潟戦に出場した札幌のヴィニ・ペイショット【写真:Getty Images】
新潟戦に出場した札幌のヴィニ・ペイショット【写真:Getty Images】

札幌のペイショット「大きな夢と自分自身のクオリティを信じていました」

 北海道コンサドーレ札幌は8月22日、J2リーグ第3節でRB大宮アルディージャと対戦する。ホームで徳島ヴォルティスに勝ち、アウェーでアルビレックス新潟に敗れた札幌だが、この2試合で1ゴール2アシストの活躍を見せたのがFWヴィニ・ペイショットだ。25歳のブラジル人アタッカーが一躍注目を集めている。

「1日1日を大切にし、成長して結果を出していくことで、こういった大きな場所に居られると思います。1日1日の練習を怠らずに成長し続け、もっと大きなものを掴みたいと思っています」

 これまでのキャリアを、このように振り返るペイショット。ボスニア・ヘルツェゴビナ1部のFKジェリェズニチャル・サラエヴォから今年6月に清水エスパルスへ完全移籍し、そのまま札幌へ期限付き移籍。珍しい形での加入となったが、そのキャリアはブラジル4部セリエDのECペロタスというクラブで始まった。

「本当に最初は大変でしたけども、自分の夢を追いかけて、1日1日を頑張った結果、こうして生活もしっかりと安定するようになりました。最初の頃に比べると、ずっと恵まれた環境になりました」

 その後も、エスポルティーボ、ECノヴォ・アンブルゴ、GEブラジル、バルセロナFC、イピランガFC、コンコルディアAC、ECサン・ルイス、CAトゥバロンとブラジル4部、3部のクラブを転々としたペイショット。なんとかサッカーだけで生計を立ててはいたというが、トップリーグへ行くきっかけを掴めなかった。

「どのサッカー選手も、人生において厳しい場面に直面することはあると思いますが、大きな夢と自分自身のクオリティを信じていました。それに家族が支えてくれて、そういった方々に恩返しするためにも頑張ってきたので、このような結果になってよかったなと思います」

 事態が好転したのは、昨年1月のこと。ボスニア・ヘルツェゴビナ1部のFKジェリェズニチャル・サラエヴォにフリーで移籍するチャンスを掴んだのだ。2026-26シーズンはレギュラーとして35試合に出場し、4ゴール1アシスト。目立った数字ではないが市場価値は3倍に跳ね上がり、日本からオファーが届いた。

「プロになれなかったとき、プロ契約をもらったばかりでプレーできない期間は一番辛い時期でした。サッカー選手にとって試合に出られない時期は本当に辛いものです。ですが、神様の助けもあり、自分の仕事に集中して向き合った結果、徐々に出られるようになりました」

 陽気なキャラクターですでにファンのハートを射止めているペイショットだが、プレースタイルからは困難を乗り越えてきた泥臭さも感じさせる。攻撃的なサッカーを掲げてJ1昇格を狙う札幌において、まさにキーマンとなりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



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