最多観客数更新のJリーグで見えた好循環 プレミア超え驚異の数値も…森保監督も称賛した「見せるプレー」

Jリーグは開幕から2節連続で最多入場者数を更新【写真:徳原隆元】
Jリーグは開幕から2節連続で最多入場者数を更新【写真:徳原隆元】

Jリーグは開幕から2節連続で最多入場者数を更新

 Jリーグは2026-27シーズン第2節で、1節あたりの最多入場者数を2節連続で更新したと発表した。第1節の47万6112人、第2節の48万1544人を合わせると、のべ95万7656人がスタジアムに足を運んだことになる。

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 ここまで観客数が伸びたのはMUFGスタジアム(国立競技場)を使用しているのが大きく影響しているだろう。第1節のJ1横浜FM-鹿島戦が6万3960人、第2節のJ1東京V-柏戦が4万4690人、J2横浜FC-磐田が5万3973人で、全体の数字を大きく伸ばすことに貢献した。また、Jリーグが各クラブと協力して行ったプロモーションによる集客も大きいはずだ。新シーズン移行を必ず「成功」させなければいけなかったJリーグとしては、ホッと一息ということではないだろうか。

 だが問題はその試合の中身だ。せっかくやって来てくれた新規の観客が試合内容に失望したらリピーターにはならない。少なくとも、これまでよりもよりサッカーの魅力が増していなければいけないはずだ。

 ではサッカーの魅力はどうやって測るか。ここでは過去2シーズンの同時期のJ1リーグと反則数とオフサイドの数の違いで見ていこう。

 比較対象は、2024年8月10~12日に開催されたJ1リーグ第26節、2024年8月16~17日に開催されたJ1リーグ第27節、および2025年8月9~11日に開催されたJ1リーグ第25節、2025年16~17日に開催されたJ1リーグ第26節とする。

 今シーズンのJリーグを見ていて「なかなか審判が笛を吹かない」と思うことはないだろうか。かつてJリーグではほぼ1分ごとにファウルで止まる試合があった。1998年10月21日、V川崎(現東京V)-広島戦は90分間で72回もの笛が鳴った。

 その後、Jリーグはファウルがあっても味方にボールがつながりプレーが続いているのなら、そのまま続行しようという考えが浸透した。選手も「ファウルがあったから」と立ち止まるのではなく、ゴールを目指し続けるようになった。

 その傾向はこの3年間の中にも現れている。直接FKの数は2024年(比較対象とした20試合)に比べて2026年は94%、2025年と比べても96%に落ちた。それだけ主審が笛を鳴らさなくなったということだ。

 もっとも、ファウル数が少なくなっても試合の強度が落ちているのなら意味がない。相手との距離を大きく取って、プレッシャーに行かなければファイルは少なくなるだろう。

 そこでオフサイドの数を比べてみる。ラインを少しでも高く保ち、相手を押し込もうとしているからオフサイドは生まれるからだ。すると、2026年は2024年に比べると130%、2025年に比べても144%というように増えている。

 夏場をものともせず、ラインを上げようとするDF陣と裏をかいくぐろうとするFW陣の激しい攻防がきちんと数字に表れていると言えるだろう。

 そして第2節では驚異的な記録が生まれた。8月14日に行われた東京Vと柏の試合では、アクチュアルプレーイングタイム(APT)が66分48秒を記録したのだ。

 イングランド・プレミアリーグの平均APTは56分から58分と言われる。2025年8月のJ1リーグでは37分57秒という記録もあった。ところが、プレミアすら上回るほどのボールゲームがJ1リーグで見られたのだ。

 試合を視察していた日本代表の森保一監督はこう称えた。

「ひたむきにプレーするところ、アグレッシブにプレーを続けようとするその姿勢は見ているサポーターのみなさんにも伝わったと思いますし、非常に見せるプレーを両チームとも繰り広げてくれたと思います。日本のサッカーがプレーを続けて、ぶつ切りにならずに選手たちが頑張るという魅力を、育成にもいい影響を及ぼしてくれるような試合展開だと思いました」

 少なくともここまでは成功だ。あとはこの勢いをどこまで保ってくれるか。たくさんの観客が詰めかければ、それだけ厳しく見ている目も多いということを選手は意識して、このままケガのないようにプレーしてほしいものだ。

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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