秋春制の恩恵「開幕してみないとわからない」 降雪地域の試行錯誤…J2指揮官の“見解”

札幌を率いる川井健太監督【写真:産経新聞社】
札幌を率いる川井健太監督【写真:産経新聞社】

札幌の川井健太監督「これをきっかけに北海道にサッカー文化というものを」

 北海道コンサドーレ札幌は8月8日の新シーズンに向け、本拠地の宮の沢白い恋人サッカー場でトレーニングを続けている。シーズン移行前までは、1月から沖縄、そして熊本へ移動する長期キャンプを行っていた札幌。しかし、秋春制への移行に伴い、合宿することなく本拠地で練習を行える恩恵を受けている。

 7月25日には、宮の沢白い恋人サッカー場で名古屋グランパスとのプレシーズンマッチを開催。練習場にJ1クラブを迎え、有観客での試合を行うという初の試みに、川井健太監督は「まず開催をしてよかったなと思います」と語った。

「シーズン移行して宮の沢の練習場でこういうことができて、1番はやっぱりファン・サポーターにこれだけ来ていただいた。公式戦ではないですけど、こういう形で見てもらうというのは非常によかった」

 札幌から車で約1時間の苫小牧でキャンプを行った名古屋との一戦。名古屋を率いているのは元札幌指揮官のミハイロ・ペトロヴィッチ監督で、砂川誠コーチ、MF高嶺朋樹、FW浅野雄也ら顔なじみの面々も多い。チケットは一般販売を待たずに完売。スタンドから温かいを声援を受けた札幌が1-0で勝利した。

「北海道コンサドーレ札幌に縁のある方々、ミシャさん含め高嶺とか様々な選手の方々に来ていただいて、こういう機会もなかなかないと思うんですよ。そういう意味では、勝敗は公式戦であるとつけるんですけど、フットボールファミリーというものを大きくするという意味では非常によかったなと思います」

 この一戦の試合後、このように語った川井監督。シーズン移行に伴い、道内9市町村で11クラブが夏季キャンプを行った。道外からも多くのサポーターが訪れるなどの盛り上がりを見せ、「これをきっかけに北海道にサッカー文化というものを根付かせるということは必要だったと思います」と手応えも感じた。

「もちろん公式戦でJリーグで戦っていくこともそうなんですけど、やはりこれだけのチームに来ていただけるということ。何かしら全員でもっともっと色々と考えて、こういう公式戦がないときでもサッカーを楽しんでもらえるような、そういう機会を作れるのではないかなと思っています」

 一方、札幌は開幕前に合宿を行わないという選択をした。長期キャンプによる疲弊を避けられる大きなメリットの反面、普段通りのトレーニングと変わらない側面もある。新シーズン前の緊張感を感じないまま開幕戦を迎えるリスクについて、「それはおそらく出る可能性はありますよね」と川井監督も認める。

「ただそこは我々コーチングスタッフであったり、クラブがしっかりと意識して取り組むこと、緊張感を与えることですね。きょうはファン・サポーター、見に来ていただいた方々が環境を作ってくれたので、僕からしたらシーズン始まるなと、そういう意味合いのゲームにできたのではないかと思っています」

 開幕前にキャンプを行わなくてもいい代わりに、シーズン真っ只中にキャンプを組まなければならない可能性も高い。「まあ開幕してみないとわからない部分があるので。でも、そこ(緊張感)は常に意識してやっています」と川井監督。すべて手探りの移行1年目、札幌は恩恵を受けることができるだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング