「もう一度日本で自分のプレーを」 ACLE出場権を“捨てて”浦和入り…36歳水沼宏太が感じた「やりがい」

浦和が沖縄キャンプ後、初の公開練習
J1浦和レッズは7月29日、沖縄県トレーニングキャンプ終了後としては初の公開練習を行った。曺貴裁新監督によるスピード感のあるサッカーを求める姿がある中で、ベテランとして加入したMF水沼宏太は国内復帰と浦和入りへの熱い思いを明かした。
7月上旬に始動した浦和は、埼玉スタジアムで公開練習や新監督就任会見などを行った後、沖縄県でキャンプを実施。それを打ち上げ、ここからは8月7日にガンバ大阪と対戦するJ1開幕戦に向けた準備が本格化していく。
この日のトレーニングでは、ゲーム形式では最終ラインを高く設定してお互いに激しくプレスを掛け合う一方で、背後のスペースへ素早く展開する意識づけのあるプレーが多くあった。スピード感の上がったプレーの中ではミスも。守備側の観点で捉えれば背後のスペースを一気に突破されている場面などもあったものの、修正もしながら準備を進めている。
その中にあって、右サイドのアタッカーとして水沼も存在感を発揮していた。フィールドプレーヤー最年長の36歳で、オーストラリアのニューカッスル・ジェッツから今季に向け移籍加入した。横浜F・マリノスの下部組織からトップ昇格してキャリアをスタートし、多くのクラブを渡り歩いてきた。
2025年に海外移籍し、ニューカッスルは今季に向けAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の出場権も獲得していた。それを振り切ってJリーグに復帰し、浦和入りしたのは「もう一度日本で自分のプレーを出したい」という強い思いがあったからだという。
「1年半いて、タイトルも取れて、ACLEの出場権も取れました。タイトルを取る喜びは、やっぱり幸せだと思いますし、マリノスでタイトルを取った時を思い出してみれば日本でタイトルを取るのはなかなか難しいこと。あれを成し遂げるために相当なパワーを使ってやっていく経験は、自分にとって大きなことだった。あれを、もう1回経験したい。その中で自分を求めてくれるとか、選手としても人間としても必要としてくれたという期待に応えたいというのが強くあって、日本で、浦和でやりたいと思いました」
父の貴史さんは、旧浦和市出身で本太中学校と浦和南高校で全国優勝を果たし、その後に日産自動車から横浜マリノス(当時)でJリーグ開幕を経験している。それだけに、加入会見ではそうした縁も話していたが、実際に浦和へ戻って感じるのは地域が持つ熱量なのだという。
「街を歩いていても浦和は特別で、サッカーを好きな人がたくさんいて、みんなが浦和レッズに期待しているんだなと伝わってきます。だからと言って、選手が上に立つとかサポーターが上に立つとかそういうことではなくて、街全体で盛り上げて、チームとして強くなって、もう1回Jリーグのタイトルにチャレンジしていくのがすごく大切なんだとこの街にきて思ったので、やりがいをすごく感じますし、自分が入ったことで良い流れを作り出せればと思います」
チーム始動から1か月弱とはいえ、すでに以前からチームにいたかのように違和感なく周囲の選手とコミュニケーションを取る姿もある。ACLEに出場するチャンスを振り切って浦和にやってきた強い思いがピッチで発揮される瞬間が期待される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)





















