乾貴士が明かす、“禁断”移籍の真相「1年やったら終わると思った」 名門を「取り戻したい」

柿谷曜一朗氏と磐田に加入した乾貴士の対談が実現【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】
柿谷曜一朗氏と磐田に加入した乾貴士の対談が実現【写真:FOOTBALL ZONE編集部 】

FOOTBALL ZONE公式YouTubeで対談

 元日本代表FW柿谷曜一朗氏と、今オフにヴィッセル神戸からジュビロ磐田へ電撃移籍を果たした元日本代表MF乾貴士の対談が実現した。渡米中だった柿谷氏が「早く会いたくて」と緊急帰国し、キャンプ地の沖縄へ直行。旧知の仲である2人が、“禁断”の移籍の裏側や、秋葉忠宏監督との深い絆、そして名門・磐田をJ1へ押し上げるためのロードマップについて熱く語り合った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 北中米ワールドカップ(W杯)取材のため現地に赴いていた柿谷氏。かつてセレッソ大阪で共闘した2人が沖縄の地で再会を果たした。対談の焦点は、サッカー界を驚かせた「清水エスパルスからヴィッセル神戸を経て、ジュビロ磐田へ」という移籍の真相。ライバルクラブを渡り歩く形となった決断の裏には、並々ならぬ覚悟とキーマンの存在があった。

乾貴士(以降、乾)「清水に在籍したこともあるというところでいろんな思いもあるし、なかなか難しかった。でも、覚悟を持って。秋葉(忠宏)さんも呼んでくれたので。秋葉さんの存在は大きかった。自分のポジションもやりやすいように変えてくれて、今の(Jリーグの)監督の中やったら一番わかってくれているから。そこは大きかったかな」

柿谷曜一朗(以降、柿谷)「インタビューでも『ヴィッセル神戸で優勝を経験していろんな経験を秋葉さんと伝えていきたい』って言っていたと思う。今のジュビロに対して、何かアプローチの仕方を変えたりしてる?」

乾「アプローチの仕方はそんなに変えていない。伝えていくこととか、要求していくことはやっていかなあかん。試合中に喋らない選手も多いから、それは清水の時も一緒やったけど。ちょっとした声とか、ちょっとした指示で変わることがまだわかっていない。その辺はどんどん言っていかなあかんと思っているかな」

 チームに求めるのは、ピッチ上での「声」と「熱量」のぶつかり合い。乾は百年構想リーグで在籍した王者・神戸の半年間で、日本トップクラスの厳しさを肌で知った。

乾「神戸はサコ(大迫勇也)も高徳(酒井高徳)もよっち(武藤嘉紀)も、もちろん自分に厳しいし、でもやっぱり要求するところはみんなちゃんと要求しているから。練習中から。それはあいつらの凄さやと思うし、強さ。海外でやっていた時もすごい大事やなと思っていたから。でもやっぱり日本に帰ってきたら『言う選手はうるさい』みたいなふうにもなる。日本は上下関係もあるから。だから下の選手が言い返せへんとかもあるんやろうけど。でもそうじゃなくて、ぶつかってでもいいから言い合ってきてほしいというのはすごくある。言い返してこない選手もいたから『俺が間違ってんのかな』とも思っていたけど、神戸に行ってこれが当たり前、だから強いやと思った」

柿谷「川島永嗣さんも試合中に失点しても(ディフェンスラインに)全然怒らない。僕ももしかしてそういうの気にしているのかなと思っていた。代表の時に一緒にやっていたけど、もっと厳しく要求するイメージがあった」

乾「それは永嗣さんと話した。(磐田に)入ってすぐ食事に一緒に行って、その時に『この半年は言うようにした』と言っていた。それまでは言いすぎて自信失くすよりかは言わないようにして自信つけさせないとあかんとか。伸び伸びやらせていた、と言っていた

柿谷「永嗣さんもどう伝えたらいいか葛藤があったと思う。それが乾くんが来たことで、永嗣さんのみんなへの接し方、アプローチの仕方も変わってくると思う。1人じゃやっぱり厳しいところもあると思う。神戸もそう。そういう選手が集まっているからパワーになっている。1人より2人の方がいいと思う」

 2025シーズン後に清水から神戸へ移籍した乾。清水退団時は引退もよぎったが、今回は「全くなかった。この終わり方は嫌やなと思った」という。

柿谷「神戸に行って試合に出られていなかった中で、引退の気持ちというのは出てきた? やっぱりJ1でもっとやりたかった?」

乾「せっかく神戸に行ったんやから、強いチームで自分が試合に出て優勝させるのがベストやった。でもそれができひんかったのは自分の実力不足。そこは受け止めて。あと神戸では1年契約あったけどあとの1年、この半年使われなかった監督の元でやるのかと言ったら選手としては『あと1年やったら終わるんやろうな』と思った。それなら俺のことを知っている秋葉さんのもとに行って試合に出るチャンスを掴もうと思った。J2でも。僕の中の磐田は(黄金時代の)強い磐田。その時の磐田を取り戻したい」

柿谷「目標としては数値を設定しよう。シーズン10得点10アシストはどう?」

乾「10得点はいきたいね。清水の時も10得点10アシストを出したけど、あの時は上がられへんかった」

柿谷「秋葉さんともいい関係やから。10得点は頼むな」

 熱血漢・秋葉監督とともに、名門復活へ向けたリベンジのシーズンが今、始まる。

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