「この笑顔はいつも僕を信じ、支えてくれる人のみに捧げます」

　リバプールのイタリア代表FWマリオ・バロテッリが、10日のトットナム戦の後半38分にプレミア初ゴールを決めた後、自分のファン限定で満面の笑顔をプレゼントした。

　バロテッリは2－2で迎えた後半29分にイングランド代表FWダニエル・スターリッジと交代で途中出場。イングランド代表MFアダム・ララナのクロスを右足で完璧に合わせた。これが決勝点となったが、試合後はピッチからうつむいたまま、スタジアム内に走って消えた。

「最高の試合だったね。この笑顔はいつも僕を信じ、支えてくれる人のみに捧げます。ありがとう。フォルツァ（イタリア語で頑張れ）、リバプール」

　自身のインスタグラムにキュートな笑顔の写真とともにメッセージを送ったバロテッリ。ピッチ上でうつむき、メッセージでONLY（のみ）を大文字にしたのはリバプール移籍後の批判がよほどこたえたのだろう。

　昨夏に移籍金1600万ポンド（約30億円）でACミランから加入したバロテッリは、リーグ戦でゴールを決められず、ピッチ外でもユダヤ人差別問題などの騒動を起こして不要論がささやかれていた。

「だが、今は慢心せずにハードワークを続けるよ。今夜のことは過去の話だ」

　メッセージを殊勝な言葉で締めくくった悪童はこの一発と満面の笑顔でスランプ脱出を果たせたのだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文　text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images