森保ジャパンとは「当たりたくなかった」 ブラジル人記者が本音…“王国”が警戒する「危険な選手」

ブラジル人記者が森保ジャパンについて語った
日本代表は現地時間6月29日、ヒューストン・スタジアムで決勝トーナメント1回戦・ブラジル戦を迎える。ブラジル最大級のインターネット企業「UOL」のコラムニスト兼記者であるペドロ・ロペス氏へのインタビュー後編では、日本代表の評価、そして大会中に負傷から復帰したブラジルの象徴・ネイマールの現在地について語ってくれた。(取材・文=林遼平/全2回の2回目)
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グループステージを2勝1分で首位通過したブラジルに、注目を集める動きがあった。34歳のネイマールが、大会直前に右ふくらはぎを負傷し、グループステージ初戦のモロッコ戦を欠場。そのまま大会を離れる可能性も取り沙汰されたが、グループステージ中に戦列に復帰したのだ。
2023年10月に左膝前十字靭帯と半月板を損傷する大怪我を負って以来、負傷と手術を繰り返してきたネイマールにとって、これが事実上最後のワールドカップとなる可能性が高い。ロペス氏は、この復帰をどう見ているのか。
「これまでのところ、彼が与えている影響のほとんどはピッチ外のものです。実を言うと、サントスでの過去1年半、彼はかつての全盛期に及ばない状態でした。選手としての実績だけで判断するなら、実力だけでここにいるわけではありません。ただ、彼がここにいるのは、彼がリーダーであり、他の選手たちから愛されており、過去15年間におけるブラジル最高の選手だからです。もし彼がピッチ上で選手として影響を与えるだけの力をまだ残しているとしたら、それは大きなサプライズになるでしょう」
象徴としての存在価値は疑いようがない。しかし現実的なパフォーマンスへの期待は慎重に留めておくべきだというのが、現地を最もよく知る記者の率直な見立てだ。
一方、決勝トーナメント1回戦で対戦する日本代表への評価については、ロペス氏の言葉に明らかな警戒感がにじんだ。
「非常によく鍛えられたチームで、守備が良く、ボールを実に見事に動かします。日本はオランダ戦とチュニジア戦で素晴らしいプレーをしました。ブラジルにとっては非常に厳しい試合になると思います。大半のブラジル人は日本に感銘を受けており、大会のこんなに早い段階で対戦することを喜んでいません」
グループFを2位で通過した日本は、オランダ戦で2-2のドローを演じると、続くチュニジア戦では4-0の快勝。スウェーデン戦は1-1のドローに終わったが、その戦いぶりはブラジル国内でも広く注目を集めているようだ。「こんなに早い段階で当たりたくなかった」。そう語るブラジル人記者の言葉は、リップサービスではない。
ブラジルは昨年10月の親善試合で日本に2-3の逆転負けを喫している。ただ、その敗戦が今回の対戦に何らかの影を落としているかという問いに対しては、ロペス氏は冷静にこう答えた。
「そうは思いません。私たちは親善試合をそれほど重視していませんし、ブラジルはあれから大きく変わりました」
特に警戒する日本の選手について聞くと、真っ先に名前が挙がったのは上田綺世だった。
「非常に危険な選手だと思います。日本には三浦知良から中田英寿、中村俊輔に至るまで、常に素晴らしい選手たちがいましたが、2026年のチームにはそうした選手が多く、集団として非常に強い。前田大然も非常に良い選手ですし、中村敬斗が見せたプレーも気に入っています」
日本サッカーの系譜に敬意を示しながらも、ロペス氏が最も強調したのは「集団としての強さ」だった。組織的な守備と洗練されたボール循環。それこそが、今の日本が世界に誇る武器だという認識だ。
では、ブラジル側のキーマンは誰か。答えは迷いなく返ってきた。
「間違いなくヴィニシウス・ジュニオールです。絶好調の彼は手が付けられませんが、彼はまさに今、最高の状態にあります」
スコットランド戦で2ゴールを叩き込み、大会を通じてコンディションを上げ続けるヴィニシウス。日本の組織的な守備がその牙を封じられるか。あるいは、ネイマールがわずかでもかつての輝きを取り戻し、試合の流れを変える存在になるのか。「大会のこんなに早い段階で当たりたくなかった」と言わしめた日本が、いよいよブラジルと相まみえる。
(林 遼平 / Ryohei Hayashi)

林 遼平
はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。













