ブラジルは“エース”だけじゃない…森保Jが警戒すべき5人 注目は「置き去りにする」19歳の新鋭

決勝トーナメント1回戦で日本とブラジルが対戦する
日本代表は現地時間6月29日、アメリカ・テキサス州のヒューストンで、北中米ワールドカップ決勝トーナメント1回戦でブラジルと対戦する。
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モロッコとのグループリーグ初戦こそ1-1の引き分けに終わったブラジルだったが、その後はハイチ、スコットランドをともに3-0で下し、尻上がりに調子を上げながらグループCを首位で突破した。
最大の脅威は、ここまで4得点1アシストを記録し、圧倒的な存在感を放つヴィニシウス・ジュニオールだ。ただ、ゲームを組み立てる中盤、流動的に動きながら守備網を崩す前線、そして両サイドから一気に局面を変えるアタッカーまで、ヴィニシウス以外の選手が異なる役割でブラジルの攻撃力を支えている。ラウンド32で“番狂わせ”を起こすためには、エースを封じるだけでなく、その周囲との連係を断ち切り、ブラジル本来のリズムを生み出させないことが不可欠だ。
・ルーカス・パケタ(フラメンゴ)
現在は母国の名門フラメンゴに帰還したが、ACミランなど欧州で一時代を築いた。ブラジル攻撃陣の頭脳を担うゲームメーカーであり、トップ下だけでなくインサイドハーフとしてもプレー。狭い局面でも前を向いてボールを運び、決定的なラストパスを送り込める。ヴィニシウスやマルティネッリを生かす縦パスやスルーパスは世界屈指で、ブラジルの攻撃にリズムを与える存在だ。日本は中盤で自由を与えないことが重要。ボランチの佐野海舟や鎌田大地が前を向かせず、ボールの受けどころを制限できれば、ブラジルの攻撃テンポも鈍らせられる。
・ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)
攻守のバランスを司るブラジルの心臓部。高いボール奪取能力に加え、左右へ展開する長短のパスで試合をコントロールする。守備から攻撃への切り替えも非常に速く、セカンドボールへの反応も優れている。日本が前線からプレッシングを掛けるなら、真っ先に消したい存在。ギマランイスが余裕を持って配球できる展開になると、ブラジルは一気にサイドチェンジを繰り返し、日本の守備を揺さぶってくる。
・マテウス・クーニャ(マンチェスター・ユナイテッド)
前線に張るだけではなく、中盤へ下りてボールを引き出しながら攻撃を組み立てられる万能型ストライカー。足元の技術にも優れ、自ら仕掛けるだけでなく、周囲を生かすプレーも得意とする。ヴィニシウスとのコンビネーションはブラジルの大きな武器だ。センターバックが不用意についていけば、その背後をヴィニシウスやマルティネッリに狙われる。センターバックの冨安健洋や谷口彰悟、ボランチ陣の受け渡しが勝負のポイントになる。
・ハイアン(ボーンマス)
今大会で評価を高めている19歳の新鋭ウインガー。スピードと突破力に優れ、右サイドから内側へ切れ込むドリブルが持ち味。カウンターでは一気に数十メートルを運び、相手守備を置き去りにする推進力を持つ。日本の左サイドは攻撃参加も多いだけに、ボールを失った瞬間の切り替えが重要になる。ハイアンに前向きでボールを持たれる展開は避けたい。
・ガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)
左右どちらでもプレーできる快速アタッカー。裏への飛び出しと爆発的なスプリントが武器で、守備への献身性も高い。ヴィニシウスと左右に並ぶことで、ブラジルは両翼から絶えず相手最終ラインへ圧力を掛けられる。堂安律、中村敬斗らウイングバックが高い位置を取った背後を狙われる可能性が高い。攻撃時のリスク管理と、攻守の切り替えの速さが試される。
ブラジルの最大の武器はヴィニシウス・ジュニオールの突破力と決定力だが、その個の力を最大限に引き出しているのは周囲のタレントたちだ。パケタとギマランイスが中盤からゲームを支配し、クーニャが流動的な動きで守備組織を揺さぶる。ハイアンがフリーで仕掛け、勝負どころではマルティネッリがスピードを生かして一気にゴールへ迫る。個々の能力だけでなく、それぞれが役割を理解した組織的な攻撃こそが今大会のブラジルの強さと言える。
ネイマールはまだ100%と言い難いが、スコットランド戦で復帰したことにより、ここから千両役者としての真価を発揮する可能性もある。上記の5人をしっかり封じてブラジルの攻撃力を削ぐことにより、守備の隙を生み出したい。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)

河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。













