日本代表FWが示した「92.9」の衝撃 ブラジルエースも圧倒…「161/156」で証明した“世界一”

日本代表の前田大然【写真:徳原隆元】
日本代表の前田大然【写真:徳原隆元】

FIFA公式データで見えてきた前田大然の凄さ

 国際サッカー連盟(FIFA)の公式サイトが公開している北中米ワールドカップ(W杯)の選手別スタッツが話題を呼んでいる。様々なデータが並ぶなか、ある項目で日本代表FW前田大然が、各国の名だたる世界的スター選手たちに割って入る堂々のランクイン。さらに、この記録を精査すると、常軌を逸した“異常”な数値が浮き彫りになっている。

 FIFA公式サイトの「プレーヤースタッツ(Player Statistics)」では、今大会に出場している全選手のパフォーマンスデータが事細かに公開されている。そのなかの「スプリント」項目における総数ランキングトップ10には、名だたるアタッカーたちが名を連ねた。トップはイスマエル・サイバリ(モロッコ)の220回(243分出場)。それにジョーダン・ボス(オーストラリア/189回・264分)、マルタン・エクスペリエンス(ハイチ/187回・270分)と続く。

 このトップ10の顔ぶれにおいて、明らかに“異質”なのが9位にランクインしている前田だ。他の上位選手たちが軒並み220分以上(2試合半~3試合フル出場相当)ピッチに立っているのに対し、前田の出場時間はオランダ戦とスウェーデンの2試合でわずか「156分」。それにもかかわらず、計161回ものスプリントを記録し、並み居る各国の主力選手たちに食い込んでいるのである。

 さらにこのデータを「90分(1試合)あたりのスプリント数」に換算すると驚異的な数字が浮かび上がる。前田は、全体の総数トップだったサイバリ(81.5回)を大きく突き放し、「92.9回」という規格外の数字でトップに。レロイ・サネ(ドイツ/64.9回)やヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル/56.6回)といった世界トップクラスの快足ウインガーと比較しても、前田のスプリント頻度は群を抜いている。

 90分換算で約93回ということは、プレーが途切れる時間を考慮しても、およそ1分間に1回以上のペースで全力疾走を繰り返している計算になる。前線からの強烈なプレッシングと、背後への抜け出しを絶え間なく連続させる前田特有のプレースタイルが、公式データの上でも世界一の強度であることを証明した形だ。

 現代サッカーにおいて、ハイプレスとスプリント能力は試合の主導権を握るための生命線だ。限られた出場時間のなかで、出れば必ず世界最高峰のスプリントをピッチに還元する前田の存在は、対戦相手にとってこの上ない脅威。6月29日(日本時間30日)に行われる決勝トーナメント1回戦のブラジル戦でも、日本の大きな武器となりそうだ。

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