長友佑都、引退を覚悟した4年前「僕はいないものだと」 大会前に“不要論”も「辞めなくてよかった」

後半30分から途中出場を果たした
日本代表は6月25日(日本時間26日)、アメリカ・テキサス州のダラス・スタジアムで、北中米ワールドカップ(W杯)グループステージ第3節でスウェーデンと対戦し、1-1で引き分けた。グループ2位となり、3大会連続で決勝トーナメント進出を決めた。後半30分から出場し、5大会連続出場を果たした39歳DF長友佑都は試合後に「やめなくてよかったなと4年前の自分に言いたい」と話した。
この瞬間を誰よりも待ち望んでいた。1-1で迎えた後半30分、白いヘアバンドをつけた長友は左ウイングバックで出場を果たした。歴代2位の国際Aマッチ146試合目。「僕の仕事としては、まずは局面の1対1、球際で勝っていく。そして、そこからチームにエネルギーを与えていく仕事を任せられたんじゃないかなと。そういう意識で入っていきました」。その言葉通り、後半34分には決死のスライディングで相手ボールをカットしてチームに勇気を与えると、同45分には冷静にクリアを選択し、落ち着きを与えた。
本気でサッカーを辞めようと思っていた。2022年11月から12月にかけて行われたカタールW杯。大会前にFC東京の強化部には「僕はいないものだと思って、来年の編成を進めてください」と伝えていた。「人生の全てを懸けてきた」と臨んだ前回大会では全4試合に先発。PK戦の末に敗れたクロアチア戦後には、今後について白紙を強調。「ここまで人生の中で熱狂できたことはなかった。堂々と戦っている後輩を誇りに思ったし、感動しました。この悔しさを含めて、必ず彼らがつないでくれると思います」と話していた。
現役引退に傾きかけていた男を呼び戻したのは、やはりW杯だった。カタール大会決勝、アルゼンチンとフランスが3-3の激闘を繰り広げ、PK戦の末にアルゼンチンが優勝を果たした。自身と1歳違いのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、自身初の優勝を手にする瞬間を画面越しに見つめた。「あの決勝は僕の人生でもナンバーワンぐらいの衝撃を受けました。球際の魂を込めたデュエル、戦いは本当に感動するものがありました。まだまだ差はありますけど、日本代表も明らかに進化している。このままいけば、日本も絶対に目標を達成できると信じています」。再び情熱が灯った。
それでも「4年間本当に苦しいことが多かった。正直、挫折しそうな時もありました」と振り返ったように、カタール大会後は紆余曲折があった。2024年3月に日本代表に復帰したが、レギュラーだったこれまでとは違い、12試合連続ベンチ外の悔しさも味わった。今大会の前には自身の不要論も耳に入ってきた。それでも誰よりもW杯に魅せられてきた男は、自らを信じ、再びこの舞台に戻ってきた。「『お前、やめなくてよかったな』と。『なんで、そんなこと考えてたんだ。ふざけんな』と4年前の自分に言いたいです。こんな素晴らしい景色が、また見られるなんて、4年前は思ってもみなかった」としみじみと語った。
目指すゴールはまだまだ先にある。29日(同30日)の決勝トーナメント1回戦ではブラジルと対戦する。「絶対に優勝するには乗り越えなきゃいけない壁。これを乗り越えた時にすごい景色が待ってますから」。最高の仲間と共に、世界一を取りに行く。
(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)















