無敗で突破は「10回やってもできる」 日本を激変させた3年前…遠藤航、覚悟の“公言”

24年ぶりに無敗で決勝トーナメントへ
日本代表は6月25日、アメリカ・テキサス州で行われたFIFA北中米ワールドカップ(W杯)グループステージ最終節でスウェーデン代表と1-1で引き分けた。F組2位で決勝トーナメント進出が決定。2002年日韓W杯以来、24年ぶりの無敗突破を決めた森保ジャパンは、第2期の4年間で“主導権”にこだわって努力を重ねてきた。劇的な勝ち方をしたカタールW杯とは違う、強豪国へ1歩近づいた堅実な1勝2分。「10回この大会をやっても、これぐらいちゃんとした内容を出せる」と4年間の積み上げが結実した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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誰も満足していなかった。選手の表情に映るのは安堵でも、歓喜でもない。勝負は終わっていない。見据えるのは決勝トーナメント1回戦、ブラジル戦だ。
「やっぱりもうさらに次の試合勝つために向けて準備していますし。達成感みたいなのは全然まだまだ持っていない」(堂安)
後半11分、試合が動いた。FW上田綺世の落としからMF堂安律がゴール前に絶妙なスルーパスを供給。「試合前から律と話していた」とFW前田大然が抜け出してGKとの1対1を決めた。同17分に相手FWアンソニー・エランガに同点弾を許すも、終盤にはGK鈴木彩艶がビッグセーブ連発するなど相手の猛攻を跳ね返し続けてドロー決着。2位通過でベスト32へと駒を進めた。
1勝2分で無敗の突破。2002年日韓W杯(2勝1分)以来の快挙だ。オランダ、チュニジア、スウェーデンという難敵揃いのF組で堂々の結果を残した。堂安は「このグループリーグ3試合は、10回この大会をやっても(毎回)これぐらいのちゃんとした内容を出せる自信がある。前回のスペイン、ドイツを破った時とは違う、カタールW杯とは違う内容で突破できたという自信がある」と、前回大会からの成長について言及した。
内容が伴った結果を出せたのには理由がある。ちょうど3年前の23年6月。第2期森保ジャパンが再スタートを切って、2回目の活動でMF遠藤航のキャプテン就任が決まった。この時、遠藤は会見で「W杯優勝」を目標とすることを公言。その目的を明かしていた。
「宣言する覚悟は必要でしたね、もちろん。カタールW杯後に目標は何がいいか考えた。自分の中で“ベスト16の壁”はない。W杯出場が決まった時にみんな言い始めるじゃないですか。それを取っ払いたかった。ファン、サポーター、メディア、選手やチーム全員を同じ方向に向かせるには就任会見で話すのが最適だと思った。キャプテンって普段、めちゃくちゃ仕事があるわけじゃない。でもココというタイミングがある。ポジティブな未来をイメージして言った」
主導権を握って、優勝を目指す。この3年間、刷り込むように言い続けた。今大会、3試合ともブレなかったのは主語を自分たちにすること。決勝トーナメント1回戦、ブラジル相手に発揮できるかで日本サッカーのステージが変わってくる。
「ここからW杯が始まるという感じですね。今からですね。一発勝負を楽しめる国にやっとなってきたかなというのは日本サッカーの進歩だと思う。(吉田)麻也くんとか、(長友)佑都くんとかが、モロッコとブラジルの開幕戦を見ていて、ブラジルがちょっと入り悪かったりとかした時『あいつら強豪国はやっぱ大会中にギア上げてくるからな』みたいな話をしていた。日本はまだまだ甘い入りを3試合でできるレベルではないですけど、今からさあ、いくぞというギアを上げられる準備はできている」(堂安)
過去の経験も生かさなければならない。ロシアW杯では決勝トーナメント1回戦でベルギーと対戦し、2-3の逆転負けを喫した。14秒で勝負をひっくり返された“ロストフの悲劇”はDF長友佑都の記憶にも鮮明に刻まれる。
「やっぱり決勝トーナメントになってくると、勢いだけではダメなんですよね。そこはロシアW杯の時に経験していて。勢いだけでベルギー戦も行って、2-0で勝っていて、チームとしてクローズできる状況もあったにもかかわらず、まだ勢いで行って、結局それを裏返された。向こうは戦略的に高い選手入れてやってきた。ちゃんと戦略持って冷静に戦うべきだなと思うんで、後輩たちに伝えたい部分ではありますね」
グループステージ3試合には森保ジャパンが積み上げた“4年”が詰まっていた。何より「W杯に調子がいい悪いもない」とカタール大会経験組が後輩に伝え、同じ目標に向かって突き進んでいることが大きな成長。さあ、ここから。力を見せる時が来た。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)















