ブラジル戦へ「ここでやらないと終わるぞ」 8か月前に掴んだ自信…誰が出ても「やれるんじゃないか」

決勝トーナメントでブラジルと激突
日本代表は現地時間6月25日、FIFA北中米ワールドカップ(W杯)グループステージ最終戦でスウェーデンと1-1で引き分け、無敗での決勝トーナメント進出を決めた。次なる関門は、世界最高峰のタレントを擁する王国・ブラジル。だが、今大会の日本には「誰が出ても戦える」という確かな手応えがある。大一番に向け、選手たちが胸に秘める“揺るぎない自信の源泉”に迫った。
勝ち上がった先に待っていたのは、約8か月前に逆転勝利を収めた、あのブラジルだった。
グループステージを振り返れば、日本はオランダと2-2で引き分け、チュニジアを4-0で下し、スウェーデンとは1-1のドローで終えた。勝ち点5での2位通過。完璧に近い道のりは、どの試合でも誰かが違いを生み出し、誰かがチームを救った。久保建英が負傷で欠場する中でも、上田綺世がゴールを決め、鈴木彩艶が無失点で守り、伊藤洋輝が最終ラインを統率した。誰が出ても同じように戦える。今大会でその言葉は確かな実体を帯びている。
奇しくも約8か月前、日本はそのブラジルに逆転勝利を収めている。そして実は、今大会で見せている「誰が出ても戦える」姿の根底を作り上げたのも、あのブラジル戦だった。
当時の日本代表は怪我人が続出し、特に最終ラインは苦しい布陣だった。板倉滉や伊藤洋輝らが不在で、CBには渡辺剛、谷口彰悟、鈴木淳之介という、それまでほとんど組んだことのない3人が並んだ。谷口は「初めて組んだと思います。試合をやってみないと分からない部分もあるじゃないですか。だから、やりながらという感じが多かった。『彼らはこれぐらいできるんだ』とか、『じゃあこれは任せていいな』と、その辺のバランスをやりながら掴んでいった」と振り返る。
谷口にとってブラジル戦は特別な意味を持つ試合だった。アキレス腱断裂の大怪我から復帰し、久々に代表へ戻ってきた直後の一戦。「嬉しい反面、もうここでやらないと終わるぞっていう覚悟を決めた感じがあった。たとえ相手がブラジルだろうがやるしかないという感じだった」。試合が近づくにつれ「ブラジルか」と苦笑いしながらも、いつしか自分自身への問いかけよりも「ブラジルにどうやったら勝てるか」に集中できていたという。
スタメン起用された渡辺もまた、同じ切迫感を持ってピッチに立っていた。「ここでやれなければもう生き残れないなというのは感じていた。ヴィニシウス(ジュニオール)選手とマッチアップして、どういうシチュエーションになるかなとかはずっと考えてました」。崖っぷちの覚悟を持った選手たちが、あの夜の最終ラインを形成していたのだ。
試合は逆転勝利という劇的な結末となったが、2人とも手放しで喜んだわけではなかった。谷口は「2失点してるので、そこはちゃんと見つめないといけない。失点シーンも、自分のポジショニングがもう少しカバーできる位置にあれば入れなかった。真ん中を務める上では最後の最後、自分が顔出さないといけない」と厳しく自己評価。渡辺も「2失点してしまったのはすごくもったいなかった。あれだけブロックを引いても、隙を突かれて決められてしまって、これが世界かと感じた」と語っている。
それでも、あの勝利が自信の源泉になったことは間違いない。渡辺は「後半の守備みたいに前線からプレスを掛けて、全員でマンツーマンみたいになったところでもやれるなというのは感じた。ブラジル相手にこれだけできるように、やっと成長してきたかというのをあらためて感じた試合だった。ブラジルでやれれば、他もやれるんじゃないかっていう気持ちにもなった」と振り返る。
最終ラインだけではない。あの夜の経験が、誰が出ても戦えるチームへの確信を生んだ。初めて組んだ3バックがサッカー王国と渡り合い、逆転勝利を手にした事実は、その後の日本代表に「どういった組み合わせであろうともやれる」という共通の拠り所を与えたと言えるだろう。
そして今、同じ相手と再びピッチで向き合うことになる。あの夜から8か月、日本代表はどれだけ成長したのか。ブラジル戦がその答えを示す舞台となる。
(FOOTBALL ZONE編集部)















