言い続けて来た「僕はボランチの選手」 シャドー起用も…鎌田大地が遂げた変化「代表のために」

鎌田大地が2試合連続で決めた
日本代表MF鎌田大地が6月20日(日本時間21日)、メキシコ・モンテレイのエスタディオン・モンテレイで行われたFIFA北中米ワールドカップ(W杯)グループステージF組の第2節チュニジア戦(4-0)で、大会2試合連続となるゴールを決めた。W杯の2戦連発は2002年日韓大会の稲本潤一以来、24年ぶり2人目。前半4分に先制弾を挙げてチームを勢いづけた。森保ジャパンを背負う男が遂げた変化。“チーム一丸”を象徴する選手へと成長した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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余裕さえ感じられた。2度目の舞台で2試合連続ゴール。鎌田の真骨頂はわずか4分で発揮された。左シャドーで先発し、MF中村敬斗のクロスに左足のヒールで合わせた。「ゴール前に入っていくことを常に考えていた。敬斗が仕掛けてクロスを上げる形は練習していたのでしっかり入って当てられた」。オランダ戦の劇的同点弾に続く、W杯2ゴール目を挙げた。
託されたポジションはシャドー。森保ジャパンでは多く務めたポジションの1つではあるが、鎌田自身は「僕はボランチの選手」と言い続けてきた。オランダ戦はMF佐野海舟とダブルボランチを組んだが、MF久保建英の負傷の影響もあり、シャドー起用となった。「10番(シャドー)の起用もあるのかなとは思っていた。でもやっぱり10番で出るのは簡単じゃない」。だからこそ意識していたのは「10番で出るなら点を決めたい」。その形がわずか4分で出た。
カタールW杯から4年。森保ジャパンに初招集されたのが2019年3月だった。そこから徐々に“常連”として代表入りを果たしたが、22年3月に落選。日本がカタールW杯行きを決めた活動だった。鎌田は当時を「悪いことはしていないんですけど、前回はまだ若さもあって自分の価値を上げる部分にフォーカスしていた」という。日本代表のため——。その思いより、自らを優先してしまっていた。
変化したのはDF長友佑都らを含め、ベテランの振る舞いだった。カタールW杯を経て受け継がれていく日の丸の重みを実感した。昨年3月、北中米W杯出場権が決まる直前、すっかり日が落ちた夢フィールド。4年前には立てなかった舞台を目の前に、鎌田の発言はこれまでと大きく変化していた。
「前回のW杯終わってからよく言っていますけど、代表に対する気持ちという部分が自分なりに変わった。自分の年齢ももうある程度、代表の中では上になってきていて、チームのことも考えたりしないといけない年齢。本当に上の人たちの代表に対する姿勢だったりっていうのも見てきて、自分だけじゃなくてチームみんなで作り上げていくことが大事というのも理解している。代表のためにというのをみんなが今持ちながらできているのが今の代表の良さでもあると思うし、より大人になったかな」
日本が世界に誇れる“一体感”。かつては自分のみに向いていた矢印を常に周囲に向けるようになった。試合後、口から出たのは日本代表としての言葉だった。
「前回のW杯から自分たちが世界でも戦えるというのは証明できている。もっと日本の価値を上げていける。自分たちはそういうことも担っていかないといけない」
東山高校からサガン鳥栖でプロキャリアをスタートさせた。1年目に指揮した当時の森下仁志監督は、絶対的存在のFW豊田陽平らに臆することなく要求する姿を見て「ヤンチャだったけど可能性を確信した」と言った。東山高校の福重良一監督も「第一印象はイヤフォンつけて現れてなんじゃこいつと思った」というが「彼に託した」と信じた。森保監督も可能性を疑わなかった。
誰もが鎌田の魅力に心を奪われる。そんな男が日本を牽引するようになった。W杯で挙げた2試合連続のゴール。歴史に刻まれた一撃で、未来へと繋ぐ道筋を描いていく。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)














