4年前に経験した「痛い」 伊東純也が初得点に飢えた訳…33歳で迎えた“リベンジ”のW杯

伊東純也は2大会連続出場でW杯初ゴール
日本代表MF伊東純也が6月20日(日本時間21日)、メキシコ・モンテレイのエスタディオン・モンテレイで行われたFIFA北中米ワールドカップ(W杯)グループステージF組の第2節チュニジア戦(4-0)で、追加点を挙げた。カタールW杯に続く2度目の舞台で待望の一撃。国際Aマッチ16ゴール目は宣言通りのW杯初ゴールとなった。4年前、実は怪我を押してW杯に出場していた伊東が今大会に懸けた思いは強かった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
◇ ◇ ◇
「W杯でまだ決めていない。だから決めたいんですよね」
何度も何度も繰り返した言葉。北中米の地で4年前の忘れ物を取りに行った。2-0の後半24分、MF田中碧の縦パスをFW上田綺世がフリックで落とすと、抜け出した伊東は一気に加速した。相手GKと1対1。うしろから来る相手DFを振り切る。「GKをよく見て」。無心で右足を振り抜いた。「冷静に流し込みました」。待ち望んだ瞬間だった。
「前回取れなかったという思いがあったので、今回は絶対に取ってやる、と。まずは1点取れたので、次もしっかり狙ってチームの勝利に貢献できるようにしたい」
得点への渇望は「前回取れなかった」からだけではない。今大会に懸ける思いは人一倍強かったから。33歳で迎えた今大会。「個人的には多分最後だと思う。リベンジの大会ではあるかな」。チームとして、そして個人として——。あの瞬間が忘れられない。
「蹴れないな」
2022年12月5日、カタールW杯決勝トーナメント1回戦クロアチア戦。日本は前半にFW前田大然のゴールで先制するも後半に追いつかれて延長戦へ突入した。120分の死闘を戦い抜いた伊東の身体には異変が起きていた。
「痛い。PKは蹴れない」
実はこの時、股関節を肉離れしていた。4試合に出場してプレーした合計323分。初めての大舞台を戦い抜き、身体は悲鳴をあげていた。「体力は大丈夫だったんですけどね」。PK負けを喫して、涙は出なかった。悔しくなかったわけではない。もちろん思いはあった。だが、29歳で迎えたカタールW杯を「最後かもなと思っていた」という気持ちが消えた。「まだまだできる」。夢の途中で終わった無念さを糧に誓った。4年後、大舞台に戻って果たせなかったゴールという目標を達成することを。
ライバルが多いポジション。MF久保建英やMF堂安律ら後輩と切磋琢磨してここまでやって来た。衰えは知らない。なぜなら「できる」という合言葉が伊東を突き動かしてきたからだ。
伊東にとって2大会目。まだ道は続く。「もっともっと決めていきたい」。縦突破やクロスだけでない。仕留める伊東を世界相手に見せていく。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)














