森保ジャパンに期待する理由…世代で見ている「景色」が違う? W杯ファン951人大調査

森保ジャパン【写真:徳原隆元】
森保ジャパン【写真:徳原隆元】

市場調査会社「インテージ」がアンケートを実施

 北中米ワールドカップ(W杯)が6月11日に開幕した。国内最大手の市場調査会社「インテージ」は、開幕前に日本全国のW杯関心者951人を対象に調査を実施。約6割が「前回カタール大会よりも今回の日本代表のほうが期待できる」と回答した。アンケート結果から年代別に見る森保ジャパンへの期待度を探った。(取材・文=インテージ・中川大輔)

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 6月14日(日本時間15日)に行われたW杯初戦のオランダ戦で、試合終盤の劇的ゴールで2-2の引き分けに持ち込んだ日本。格上相手に勝ち点1をもぎ取り、好スタートを切った。

「史上最強」の呼び声が高い今回の日本代表だが、年代別に見ても、すべての世代で「今回のほうが期待できる」と回答した割合が多い。特に男性20~30代では約7割が「今回のほうが期待できる」と答え、期待感の高さが際立つ結果となった。

 アンケートで興味深かったのは「期待している」という結果そのものではない。今回の日本代表に期待できると思う理由が、世代によって大きく異なっていたことである。同じ日本代表を見ていても、世代ごとに見ている景色が全然違っている。

 まず全体的な結果として「今回のほうが期待できる」と回答した542人に理由を聞いた所、以下のようになった。

1位 チーム全体の選手層が厚くなっている(32%)
2位 海外トップリーグで活躍する選手が増えている(30%)
3位 日本サッカー全体の育成レベルが上がっている(29%)
4位 世界の強豪国相手にも戦えている(27%)
5位 個の能力が過去より高まっている(26%)

 多くのサッカーファンが、サッカー日本代表の総合力向上を実感していることが分かる。しかし年代別に見ると、その評価のポイントは大きく異なる。

 10~20代の期待理由トップ3から見てみよう。

1位 海外トップリーグで活躍する選手が増えている(23.4%)
2位 前回大会の経験を活かせそう(22.8%)
3位 世界の強豪国相手にも戦えている(21.4%)

 この結果から見えるのは、若年層が現在進行形の代表チームに強く注目している姿である。カタールW杯ではドイツ、スペインを撃破し、日本代表は世界を驚かせた。10~20代の多くは、その歴史的な勝利をリアルタイムで体験している世代だ。若年層の期待は「いつか世界と戦えるようになる」ではなく、「すでに世界と戦えている」という実感の上に成り立っている。言い換えれば、若年層が見ているのは日本サッカーの未来ではなく、今まさに世界で活躍する選手たちなのである。

 一方で、30~40代は少し異なる。

1位 日本サッカー全体の育成レベルが上がっている(33.3%)
2位 チーム全体の選手層が厚くなっている(32.6%)
3位 近年の代表戦で結果を残している(29.9%)

 この世代は1993年のJリーグ創設以降、日本サッカーが成長していく過程を見続けてきた世代である。Jリーグで活躍した選手が日本代表へとステップアップし、さらに代表の主力選手が欧州5大リーグへ移籍していく。いわば「日本から世界へ」という一連の流れをリアルに体感してきた。

 そこから20年以上が経過し、現在では一部のスター選手に限らず、多くの日本人選手が海外でプレーする時代となった。そのため、個々の選手の活躍だけでなく、その背景にある育成環境や競技システムといった“土台”に目が向きやすい。言い換えれば、「強い選手が出てきた」という単発の現象以上に、「強い選手が継続的に育つ仕組みが整った」ことに価値を見出している世代だといえるだろう。

世代ごとに違う「期待の根拠」

 さらに特徴的だったのが50代以上だ。

1位 チーム全体の選手層が厚くなっている(39.1%)
2位 海外トップリーグで活躍する選手が増えている(35.6%)
3位 日本サッカー全体の育成レベルが上がっている(33.6%)

 この世代は、日本代表が一部のスター選手に大きく依存していた時代を知っている。かつては主力選手の欠場がそのまま戦力低下につながるケースも少なくなかった。しかし、現在は欧州主要リーグでプレーする選手が複数のポジションに存在し、負傷や不調があっても代わりの選手を送り出せる。50代以上が評価しているのはスター選手そのものではなく、スターが不在でも戦えるチームになったことなのである。

 今回のアンケートから見えてきたのは、日本代表への期待感の高さだけではない。その期待を支える根拠が世代によって異なるという事実である。若年層は「世界で戦う選手たち」を見ている。中年層は「世界で戦える環境や仕組み」を見ている。そして高年層は「世界で戦い続けられる選手層の厚さ」を見ている。

 同じ森保ジャパンを応援しながらも、それぞれが見ている景色は少しずつ違う。しかし、その視線の先に共通してあるのは、日本サッカーが着実に前進してきたという実感だ。

 今回の約6割が「前回カタール大会よりも今回の日本代表のほうが期待できる」という結果は、日本代表への期待だけでなく、日本サッカーが積み重ねてきた30年以上の成長に対する評価でもあるのかもしれない。

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株式会社インテージ

 株式会社インテージは1960年に創業。インテージグループとしてアジアNo.1*であるマーケティングリサーチ/インサイト事業に加えてマーケティングソリューション事業を展開し、9か国の海外拠点とともに国内外の企業・団体のマーケティング活動を総合的に支援している。事業ビジョンとして“Create Consumer-centric Values”を掲げ、深い生活者理解とデータ活用の高度化による顧客企業支援を通じ、生活者の幸せの実現を目指している。
*「ESOMAR’s Global Top-50 Insights Companies 2025」に基づく(グループ連結売上高ベース)

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