森保Jは「格下ではない」 オランダ戦で見せた”スピリット”…英記者指摘「オランダは過小評価している」

英記者がオランダ戦を総括【写真:徳原隆元】
英記者がオランダ戦を総括【写真:徳原隆元】

日本はオランダと2-2のドロー、マイケル・チャーチ氏が総括

 日本代表は現地時間6月14日、北中米ワールドカップ(W杯)グループFの初戦でオランダ代表と対戦し、2-2で引き分けた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括した。

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 森保一監督はオランダ戦を前にチームが持つレジリエンスについて問われていた。しかし、サムライブルーの指揮官がどれだけの言葉を尽くすよりも、日本代表が日曜日にアーリントンで見せたパフォーマンスこそがこのチームのスピリットを何よりも物語っていた。

 日本は今大会で躍進を狙うオランダを相手に物怖じすることなく立ち向かった。ロナルド・クーマン監督率いるチームには欧州のビッグクラブでプレーする名のある選手が多く揃っている。

 それでも日本はそんな相手と互角に渡り合っていた。この事実は我々がこのチームに対して抱くべき基準というものを物語っている。サムライブルーは今やアンダードッグ(格下)ではない。この試合はグループFの首位争いをするトップチーム同士のぶつかり合いだった。

 立ち上がりに訪れたドニエル・マレンのシュートを鈴木彩艶がクロスバーの上に弾き出したプレーが目覚めの合図だった。日本は試合の主導権を握り、無失点のままハーフタイムを迎えた。

 日本は前半のミッションを達成したといっていいだろう。最初の45分のうちに中村敬斗や上田綺世のシュートが決まっていれば、さらにいい結果になっていてもおかしくなかった。

 しかし、後半開始直後からオランダが攻勢を仕掛けたことで、試合が全く異なる展開となることを予感させた。

 オランダは日本の守備の背後にスペースを見つけ、鈴木が守るゴールの前を横切る際どいボールが何度かあった。フィルジル・ファン・ダイクがピンポイントのヘディングで先制ゴールを奪ったのも必然の結果に感じられた。

 だが、そこで印象的だったのは、すぐに立ち直ろうとする日本の強い意志だった。

 左サイドに鋭く侵入した久保建英から中村へのカットバックは的確で決定的なものだった。これを受けた中村の冷静なフィニッシュがAT&Tスタジアムに足を運んだ日本サポーターに歓喜の瞬間をもたらした。

 それだけに日本がビハインドを再び背負う展開となったことは悔やまれる。失点から6分後に追いついたが、そこからさらに7分後に再び勝ち越しを許した。クリセンシオ・サマーフィルのカーブをかけた完璧なフィニッシュは非常に精巧で、鈴木にできることはほとんどなかった。

 それでも日本が同点に追いつくためにできることはまだまだあった。

 オランダでは勝ち点3を逃したことでクーマン監督の采配に対して批判的な声があがっているが、それは日本の強い意志を過小評価していると言わざるをえない。森保監督のチームには強靭な粘り強さがあり、それがダラスでも存分に発揮されたのだ。

 伊東純也のコーナーキックから同点ゴールを決めた小川航基が浮かべた歓喜の表情は、たとえ記録上は最後にボールに触れた鎌田大地の得点であったとしても、そのゴールが日本にとってどれほどの意味を持つものなのか雄弁に物語っていた。

 クリスタル・パレスでプレーする鎌田はゴールが幸運だったことを認めたが、適切なタイミングで適切なポジションにいたことは決して運だけではなく、本能的なものでもある。鎌田は最後に違いを作り出すプレーで自身の力強いパフォーマンスに華を添えた。

 以前の日本代表であれば敗れていたであろうゲームで勝ち点1をしっかりと手にした。2026年のW杯はポジティブなスタートを切った。

 次の試合はまた異なる試練がやってくる。スウェーデンに大敗したチュニジアを相手に、日本は決勝トーナメント進出有力なチームとしての立場を生かすことができるのか。2022年のコスタリカ戦がそうだったように、このような試合が森保監督の保守的な戦術にとって問題になりうることを我々は知っている。どうなるか見てみよう。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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