槙野監督の指示無視で「行こうかな」 失点関与で躊躇も…響きわたった「前! 前!」

札幌の家泉怜依【写真:徳原隆元】
札幌の家泉怜依【写真:徳原隆元】

札幌の家泉怜依「ちょっとミスって失点しちゃったので、やばいと思って」

 JリーグのオールスターDAZNカップが6月13日、MUFGスタジアム(国立競技場)で行われた。北海道コンサドーレ札幌のDF家泉怜依は、J2・J3 EAST-Bの一員として出場。センターバックのポジションに入ったが、藤枝MYFCの槙野智章監督から「家泉! 前! 前!」と指示が出ると、最前線へと駆け上がった。

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 最初の発表メンバ―に選ばれていなかったが、Jリーグ推薦で追加選出。スタッフから伝えられると、驚きもあった。「絶対に入らないだろうなと思っていたので、何でだろうなと思ったんですけど光栄です」。翌日に札幌でトークショーを控えているタイトな日程だったが、初めての国立のピッチを楽しんだ。

 センターバックながら百年構想リーグでは17試合で4ゴール。ビハインドの展開で最前線へポジションを移す「家泉大作戦」は、相手にとって大きな脅威となっている。J2・J3 EAST-Aとの1回戦では、15分から途中出場。この日は祭典ということもあり、槙野監督の指示を待たずに最前線に行くことを画策した。

 しかし、直後の18分に相手のボールを奪われて失点に関与。「前に行こうかなと思ったら、ちょっとミスって失点しちゃったので、やばいと思って。ちょっとミスりました。ちょっとやばいな、やらかしたと思って」。いきなりのミスで気まずくなったのもあり、勝手に最前線へ上がるのは躊躇していたという。

 そのまま試合は進んでいったが、終了間際についに槙野監督が動く。国立に響きわたったのは声は「家泉! 前! 前!」。オールスターの舞台でも大作戦を敢行したが、同点ゴールとはならなかった。5位・6位決定戦での出番はなかったが、DF小田逸稀、MF深澤佑太らとの親交を深めるなどお祭りを満喫した。

 そんな家泉だが、あまりのストライカーぶりにサポーターの間ではフォワード転向を望む声まであがっている。本人はチームの方針に委ねており、「僕個人としては、攻撃のほうが好きなので。守備が好きというか守備をしたいわけでもないし、僕はどこでもって感じです」と可能性がゼロではない話のようだ。

 元々サッカーを始めたときはフォワードで、小学生になってからセンターバック。さらに、中学生ではフォワードに戻り、寒川高校時代は二刀流で、国体にもフォワードとして出場しているくらいだ。しかし、流通経済大学ではセンターバックとして頭角を現し、プロではフォワードとしてはプレーしていない。

 豊富な経験があるとはいえ、プロのレベルでフォワードに転向するのは簡単なことではない。それでも、5月23日のジュビロ磐田戦で見せたカットインにはロマンも感じた。「ああいうのは好きなので。シュートはずっと自信あるので、打ったという感じです」とヘディングだけではない武器も隠し持っている。

 一方、センターバックには特別指定選手としてDF梅津龍之介が加入。「ウメはJ2のチームに来るような選手ではないと思っているし、J1とか上でも全然通用する選手だと思っているので、危機感というかポジション取られちゃうなって感覚はあります」。ビルドアップやポジショニングで学ぶこともあるという。

 だからこそ、空中戦の強さや得点力など、「ウメにできないところを、もうちょっと僕が強みを活かしてやれば、ポジション争いというところで競争をできるのかなとは思います」と力を込める。来シーズンのJ1昇格を掴み取るために、層の厚さは間違いなく必要。唯一無二の個性を磨き、貢献してくれるはずだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



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