オランダはなぜオレンジ? 国旗は「赤白青」なのに…日本代表の「サムライブルー」との共通点

建国の父から受け継がれる「オレンジの誇り」
森保一監督率いるサッカー日本代表は、北中米ワールドカップ(W杯)の初戦で強豪オランダと激突する。運命の一戦は現地時間13日午後3時(日本時間14日午前5時)に迫るなか、決戦のムードは最高潮に達している。対戦相手のオランダといえば、スタジアムを鮮やかに染め上げる熱狂的な「オレンジ軍団」としてお馴染みだ。しかし、オランダの国旗は「赤・白・青」の三色旗であり、どこにもオレンジ色は使われていない。なぜオランダ代表は国旗にない色を身にまとうのか。
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オランダのナショナルカラーがオレンジである理由は、同国の「建国の父」と呼ばれるオラニエ公ウィレム1世に由来する。
「オラニエ(Oranje)」とは、オランダ語で「オレンジ」を意味する。16世紀、スペインの厳しい支配下にあったネーデルラント(現在のオランダ)で独立戦争を主導し、彼を祖とする「オラニエ=ナッサウ家」は現在のオランダ王室へと連なっている。
つまり、オランダ人にとってのオレンジは単なるチームカラーではない。「独立の象徴」であり、国家の誇りそのものなのである。
では、なぜその誇り高き色が国旗に使われていないのか。
実は、独立当時のオランダ国旗は「オレンジ・白・青」の配色だった。しかし17世紀頃から、オレンジの帯は現在と同じ「赤色」へと変わっていく。その理由は驚くほど現実的なものだった。当時のオレンジ色の染料は、日光や潮風を浴びると退色しやすく、赤っぽく変色してしまう欠点があった。海上帝国として世界中を航海していたオランダの船にとって、遠くからでも国籍をはっきりと識別できる「赤」の方が実用的だったと言われている。
国旗からは姿を消したものの、オランダ人の「オレンジ」への愛が色褪せることはなかった。特筆すべきは、その愛がサッカー界だけに留まらない点だ。オリンピックを見れば一目瞭然だが、お家芸のスピードスケートや自転車競技、フィールドホッケーなど、あらゆるスポーツのオランダ代表がオレンジ色のユニフォームを着用する。競技の垣根を越え、国全体がひとつの色で染まる圧倒的な一体感こそが、オランダの強さの源泉でもある。
この“国旗にない色をナショナルカラーとする”という特徴は、サッカー日本代表の「サムライブルー」とも共通している。
日本の国旗は赤と白の「日の丸」だが、サッカー日本代表は伝統的に青色を採用している。日本の国土の「海」と「空の青」を表しているという説があるが、明確な公式記録には残っていない。
ただ、興味深いのは、日本代表が1988年から1991年の一時期、当時の横山謙三監督の意向もあってユニフォームを赤色に変更した歴史があることだ。しかし、この時期はW杯予選で敗退するなど成績が著しく低迷。「やはり青が良い」と元のブルーに戻されたという、オランダとは逆の数奇な経緯がある。
ここでさらに興味深いのは、全競技がオレンジ色の応援で統一されているオランダとは対照的に、日本のスポーツ界におけるサッカーの「青」はむしろ独自の道を歩んでいるという事実だ。
ラグビー日本代表の「ブレイブ・ブロッサムズ」のジャージーは国旗と桜をモチーフにした赤と白のボーダー。バスケットボール男子代表の「AKATSUKI JAPAN」も、日の出の勢いを表す太陽の赤。野球の「侍ジャパン」は日本の伝統色である褐色(非常に濃い紺色)を採用し、武士のゲン担ぎに由来している。多くの競技が「日の丸の赤」を前面に押し出すなか、サムライブルーは日本のスポーツ界全体で見ると特異な存在感を放っている。
北中米W杯のピッチで激突する日本とオランダは、ともに国旗の色に縛られないアイデンティティを誇りとしている。鮮やかな「オレンジ対ブルー」のコントラストが彩る90分間から、目が離せない。
(FOOTBALL ZONE編集部)

















