W杯現地のリアル「何をしているんだ?」 日本並の湿度、物々しいフェンス…テレビで感じた”違和感”

日本代表のオランダ戦、スウェーデン戦が開催されるダラスのAT&Tスタジアム【写真:ロイター】
日本代表のオランダ戦、スウェーデン戦が開催されるダラスのAT&Tスタジアム【写真:ロイター】

識者が現地で感じたW杯の温度感

 11日の早朝、ダラスに到着した。ダラスのAT&Tスタジアムではオランダvs日本、日本vsスウェーデンを含むグループリーグ5試合、ラウンド32が2試合、ラウンド16が1試合、そして準決勝の合計9試合が開催される。

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 到着するとワールドカップのブースがあって、素晴らしい笑顔の3人組が迎えてくれた。ダラスについてのさまざまなことを教えてくれるが、これまでの大会のようにパンフレットのような印刷物が置かれているのではなく、情報が掲載されているサイトに誘導するQRコードが示される。

 暑いと聞いて覚悟していたが、暑さそのものはさほどでもない。32度程度だった。だが湿気が高い。手持ちの簡易な湿度計で測ると85パーセントある。これは日本並みだろう。となると、高温多湿に慣れていない相手国たちよりも有利ではないか……と思いたいところだが、スタジアム内は空調が完備しているということで関係ないだろう。

 さっそくスタジアムに向かってみる。首からぶら下げる取材許可証(ADカード)をもらうためだが、事前にFIFAはスタジアムのADセンターよりも、ボランティアの人たちがユニフォームを受け取る場所でも発行できて、そちらのほうが時間はかからないと案内していた。

 ADセンターに入ると確かに15人程度の人たちが発行待ちをしている。最初にパスポートを読み取る機械に案内され、ここで照合が終われば写真を撮ってカードを印刷して終わりになるはずだ。

 ところがこのパスポートを読み取る機械が機能しない。スキャンした後に「読み取れませんでした」とメッセージが出てくる。見ている限り、みんな認識されなかった。

 しばらく待機したあと、やっと名前を呼ばれてヘルプディスクに座る。係はパスポートとオンラインの名前をずっと見比べて、苦労しながらやっと探し当て写真を撮った。それから5分もしないでカードは出来上がってきた。ということは、最初の機械が混雑の原因と考えて間違いないだろう。

 スタジアムの周りはすでに物々しいフェンスによって囲まれていた。そのためフェンス越しにしかスタジアムを見ることができない。だが、そのフェンスを隠すためのロゴが入った布などはまだ設置中。最後の仕上げに入っているところだろう。アメリカンフットボール選手のバナーがまだぶら下がっている。

 せっかくADカードを手に入れたので間近にスタジアムを見ようと、セキュリティゲートに向かう。人も荷物もX線でチェックされるのは過去の大会と同じ。ただ、パソコンをバッグから出さなくていいのは、機械が新しいからだろう。

 セキュリティチェックが終わって30メートルほど歩いたところに、ADカードチェックゲートがあった。ここでADカードを読み取ってもらい、やっと中にアクセスできる。ところがブザーが鳴って立ち入りが許可されなかった。スタジアムのメディアセンターは試合前日と当日しか運営されておらず、それ以外はADカードを持っているだけでは入れてもらえないのだ。

 セキュリティゲートに戻ると、歳を取った女性の係員が「私が言ってあげるわよ」と言って再度チェックゲートに向かうものの、結果は同じ。こういう人の親切と厳格な運用の狭間でウロウロするというのも、ワールドカップ恒例(ただしカタールはのぞく。カタール大会は何もかもきちんと設計されていた)だ。

 スタジアムの隣にウォルマートがある。大きなスーパーマーケット、小さなイオンという規模の店舗だった。ここにグループリーグに出場する国とアメリカ、メキシコの大会関連シャツなどが売ってあった。アルゼンチンは人気を見越してその他のグッズなども数多く揃っている。

 Tシャツは16.98ドル、19.98ドル、24.98ドル、29.98ドル。観戦のときにスタジアムに持っては入れる透明のビニールのカバンが7ドルで売っていたが、ワールドカップのロゴが入ると15ドルぐらいになっていた。

 まだダラスでの試合が始まっていないから、いろいろな国の人を見かけることがなく、ワールドカップのお祭りの雰囲気があるかというと、そうは思わなかった。だが一番の違和感は、ホテルのテレビを見たときに感じた。

 開幕戦のメキシコvs南アフリカを見ていると、飲水タイム(ハイドレーション・ブレイク)でCMが入った。そして後半のCMが終わって試合に戻ると、すでに再開されていた。また、このホテルでは韓国vsチェコが映らなかった。それ以上に不思議なのが、この大会のマスコットは今、何をしているんだ?

(森雅史 / Masafumi Mori)



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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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