W杯初日で「FIFAの最悪の悪夢が現実に」 チケット高騰で大量の空席…現地物議「法外な価格が原因」

韓国がチェコに2-1で勝利も空席が目立った
北中米ワールドカップ(W杯)が開幕を迎えたなか、国際サッカー連盟(FIFA)が導入したチケットの価格設定モデルが波紋を広げている。現地時間6月11日に行われたグループリーグ初日の韓国代表対チェコ代表の試合で大量の空席が目撃され、アメリカ誌「SI」は「W杯の初日にFIFAの最悪の悪夢が現実になった」と厳しい視線を向けた。
今大会を巡っては開幕前からチケットの法外な価格設定が議論の中心となっており、記事では「大会が進むにつれて不満が渦巻いている」と指摘されている。メキシコ対南アフリカの開幕戦が行われた8万7000人収容のエスタディオ・アステカは超満員となった一方で、続く韓国が2-1で勝利した一戦は対照的な光景となった。
エスタディオ・アクロンの公式収容人数4万5664人に対して公式発表の観客数は4万4985人とされたが、実際にはバックスタンド中央やピッチサイドのVIPエリア付近を中心に、アリーナ全体で大量の赤い空席が目立っていた。英紙「ザ・テレグラフ」の報道によると、最も影響を受けたエリアのチケット価格は概ね400ドル(約6万4000円)から5000ドル(約80万円)に設定されており、「空席が目立ったのはこの法外な価格が原因である可能性を示唆」と指摘している。
FIFAが北米でのチケット販売に採用した「ダイナミック・プライシング(変動料金制)」モデルには非難が集中しており、需要が座席の価格を事実上決定する仕組みになっている。1人のファンが全8ラウンドの試合に1試合ずつ足を運んだ場合、総額で5225ドル(約84万円)という並外れた金額に達する可能性が指摘されている。
こうした現状に対し、ニューヨーク州とニュージャージー州の司法長官からは「人為的に価格を吊り上げている」と告発されているが、FIFA側はこれを猛烈に否定。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は水曜日に行われた開幕前記者会見で、高額なチケット価格について問いただされた際も引き下がることを拒否した。
インファンティーノ会長は「より低い価格帯で販売すれば、この市場では合法的に二次流通市場へと流れ、はるかに高い価格で転売されてしまう」と主張。そのうえで「その資金はサッカー界ではなく、二次流通やブラックマーケットの運営者に渡ってしまう。得られた資金のすべてはサッカーの発展へと還元される」と、転売対策としての正当性を強調した。
金曜日に行われる共同開催国のカナダやアメリカの試合では同様の問題は予想されていない。しかし、土曜日に行われるスイス対カタールをはじめ、ハイチ対ノルウェー、オーストラリア対トルコといった好カードでも、スタンドの動員状況に大きな注目が集まることになりそうだ。
















