今年3月に国籍選択…プレミア主力が“秘密兵器” ジャイキリ狙う人口1200万人の小国|ハイチ

セバスチャン・ミニェ監督が率いるハイチ…ウィルソン・イシドールに注目
ハイチという国名を聞いて、サッカーを連想する人はまずいないだろう。人口約1200万人の小国であり、治安は極めて悪く、今回のワールドカップ(W杯)予選でもホームゲームを自国で1試合も開催できていない。そんなハイチがW杯の出場権獲得をできたのは、大会の拡大があったからだ。
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今回からW杯の出場国が32か国から48か国に拡大されたが、CONCACAF(北中米カリブ海)の出場枠は、2022年大会の3枠+プレーオフ1枠から3枠+プレーオフ2チームとなった。これだけなら予選突破の難易度は変わらないように見えるが、アメリカ、メキシコ、カナダの3強は開催国枠で自動出場となっているため、実質の出場枠は6枠+プレーオフ2チームになっているのだ。
CONCACAFの2次予選をキュラソー代表に次ぐ2位で終えたハイチは、3次予選でホンジュラス、コスタリカ、ニカラグアと同組になる。コスタリカは2022年のカタールW杯で、日本にも1-0の勝利を挙げた国であり、このグループの本命と見られていた。そんな相手とハイチはアウェーで3-3の引き分けを演じ、ホームゲームでは1-0の大金星を挙げた。過去3度のW杯に出場を決めているホンジュラスとも予選を2分けで終えた結果、グループ首位で本大会の自動出場枠を得ている。
驚くことに今回のW杯出場は、ハイチにとって初めてのことではない。W杯の予選には1934年の第2回大会で初めて出場し、1974年の西ドイツ大会で初出場を飾っていた。本大会ではイタリア、ポーランド、アルゼンチンと対戦して3連敗となったが、当時のエースであるFWエマニュエル・サノンはイタリアの伝説的なGKであるディノ・ゾフの守るゴールを破った得点を含め、2得点を挙げる活躍を見せた。
52年ぶりのW杯出場となる今大会で、チームの指揮を執るのはセバスチャン・ミニェ監督だ。ハイチが初めてW杯に出場する2年前に生まれた54歳のフランス人監督は、コンゴ代表やケニア代表、赤道ギニア代表などを率い、2022年から24年にはカメルーン代表のアシスタントコーチも務め、ブラジルを破った前回のW杯にも帯同していた。
しかし、国内の情勢が不安定なことからハイチに行って新しい選手を見つけることはできない。国外でプレーする有望選手を見つけても、大使館が閉鎖されていて招集に必要な書類を集められないこともあったという。ミーティングなども通常はオンラインで行われるという異常な状況のなかで、ハイチ国内に一度も足を踏み入れていない指揮官がW杯の出場権をもたらしたことはあらためて偉業といえるだろう。
ハイチでも国内リーグは行われているが、代表のほとんどの選手は海外のリーグでプレーする選手となっている。イングランド1部ウォルバー・ハンプトンに所属するMFジャン=リクナー・ベルガルドは、年代別フランス代表の経験者であり、今季も公式戦29試合に出場して1ゴール1アシストを記録している。
また、秘密兵器もいる。2026年3月にハイチ代表を選択した25歳のFWウィルソン・イシドールも、ベルガルド同様にフランスの年代別代表でプレーしていた選手で、現在はイングランド1部サンダーランドに所属し、公式戦34試合で5得点を記録している。3月の活動で代表デビューを果たすと、1-1で引き分けたアイスランド戦では早速ゴールも決めており、本大会での活躍にも期待がかかる。
今回はW杯の出場権を獲得することができたが、次回大会からはアメリカ、メキシコ、カナダもCONCACAF予選に戻ってくる可能性は高く、彼らにとって一世一代の大舞台になる可能性が非常に高い。それだけに選手たちは極めて高いモチベーションで大会に臨むだろう。
今回のW杯出場国のなかではFIFAランクも、85位のニュージーランドに次ぐ83位と下から2番目というハイチ。ブラジル、モロッコ、スコットランドと同居するグループAは、非常に難解な組み合わせとなったが、前回出場時のサノンのように爪痕を残す選手が出てくるか注目だ。
(FOOTBALL ZONE編集部)













