不満爆発のサポーターに向けてドルトムントのクロップ監督が1部残留を宣言

まさかの最下位に沈む名門

 現在最下位に沈むドルトムントは5日、公式サイトでユルゲン・クロップ監督の残留宣言を掲載した。その前日、本拠地でアウクスブルク対戦して0-1で敗れると、サポーターと、選手がフェンス越しに直接会談。不満爆発のサポーターの声に応える形で指揮官は声明を発表した。

 アウクスブルク戦の映像を分析し、立て直しに必死なクロップ監督は「我々は現実を見誤ってはならない。我々はこの物語で重要な役割を担っている」と、語ったという。この物語とは最下位の18位ドルトムントが、7日にアウェーで15位のフライブルクと対戦する現実だ。

 サポー ターも優勝候補の一角とされた強豪の情けない物語に憤っている。ゴール裏のサポーターがアウクスブルク戦後のジグナル・イドゥナ・パルクで、主将のMFマッツ・フンメルスと、GKローマン・ヴァイデフェラーを呼び出してフェンス越しに対話。状況説明に追われる事態となり、ピッチ上のクロップ監督、そして、日本代表MF香川真司ら選手もぼうぜんと立ち尽くした。指揮官は不振の原因を次のように言及した。

「正しい時に正しいプレーを選択する。それがほとんどできていない。だからこそ、小さなプレーを大きなチャンスに、大きなチャンスをゴールにつなげることができていない。特にゴール前で完璧な集中力が必要だ」

 攻守ともに高度な連動性を示してきたドルトムントは、アイデンティテ ィーを見失っている。そして、攻守ともにゴール前でのミスが散見され、勝ち点を落とし続けている。

「我々が一部に残留することを私は固く信じている。1試合でチームの全てに疑問を呈することなどできない。フィジカル的には前半戦よりも良いコンディションにある。それをうまく生かしたい」

 クロップ監督は、そう1部残留を宣言した。直接対決となる15位のフライブルクとの勝ち点差はわずかに2。13位のハンブルガーSVまでの勝ち点差は3と僅差だ。運命の土曜日。2015年初勝利をサポーターに届け、この忌まわしい泥沼から抜け出したいところだろう。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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