城福監督が「褒めてあげたい」と本音も クラブ規模の差を受け止め「僕が言ったらそこで終わり」

城福浩監督が東京ダービー後に思いを話した【写真:徳原隆元】
城福浩監督が東京ダービー後に思いを話した【写真:徳原隆元】

城福浩監督が試合後にチームのあるべき姿について話した

 東京ヴェルディは5月10日に行われた明治安田J1百年構想リーグの第16節で、FC東京とのダービーマッチに臨んだ。キャプテンのMF森田晃樹が今季初ゴールを決め、前半29分に先制。しかし、前半のうちに同点に追い付かれると、主導権を握っていた後半アディショナルタイム5分に決勝点を奪われ、悔しい敗戦を喫した。

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 前節・川崎フロンターレ戦では、先発7人を入れ替えるターンオーバーを敢行した城福浩監督。その采配からも、このダービーに懸ける強い思いは明らかだった。2024年度の人件費を見ると、当時J1最下位だった東京Vが9億200万円だったのに対し、FC東京はリーグ10位の23億3,400万円。この試合でも、FC東京の松橋力蔵監督はDF橋本健人、DF稲村隼翔、MF山田楓喜、FW仲川輝人、FW長倉幹樹と5枚の交代カードを切った一方、城福監督は2枚のみ。そのうち1枚は、足に違和感を抱えていた森田を下げるための交代だった。両クラブの財政規模の差は、そのまま選手層の厚みに直結している現実を浮き彫りにした。

 それでも東京Vは互角以上に渡り合った。しかし試合後、城福監督は「前半は多少押し込まれましたが、想定内でした。後半は我々の時間になると思っていましたし、実際に思い描いた展開になった。ただ、そこで2点目を決め切れない。オン・ザ・ボールの質なのか、オフサイドにならないためのオフ・ザ・ボールの質なのか。そこが少し足りない。2点目を取れないのであれば、最低でも勝ち点1で終わらなければいけない」と試合を総括。口から並んだのは厳しい言葉だった。

 さらに指揮官は、前節の川崎戦にも触れながら、「我々はアラートさを含め、まだまだ質が足りないと痛感しました」と終盤の守備対応を問題視。選手たちの奮闘そのものを否定したわけではない。

「やれたことはもちろんあるし、今の我々が持てる力を出さなかったとは思わない。それを否定するのは酷だと思います」

 そして、城福監督は“あと一歩”の差に向き合う必要性を強調した。

「ただ、ほんの少しの差が勝敗を分ける。この2試合から選手たちは学ばなければいけない。サポーターが悔しくてブーイングするのも分かります。でも、今日一番悔しかったのは選手たちです。もちろん、来てくれたサポーターと喜び合いたかった。ただ、この悔しさを次につなげて、少しでも早く喜び合える試合をしたい」

 川崎戦、そしてFC東京戦。いずれも1点差で落とした接戦だからこそ、そこから何を学ぶかが問われている。

 現在の東京Vには、他クラブで結果を残せなかった若手選手たちが加わり、主力へと成長しているケースも少なくない。城福監督も、その成長自体は高く評価している。ただし、それを安易に口にするつもり。「もちろん、褒めてあげたい」と本音も語ったが、「サポーターは『バジェット(予算)なんて言い訳にならない』と思って見ていますし、僕らも言い訳にするつもりはない。だから、『いまのバジェットの中でよくやっている』なんて僕が言ったら、そこで終わりなんです」と力を込めた。

「クロスやシュートは、ミスしようと思ってやっているわけではない。だから質を上げるしかない。でも、守備は意識で変えられる。あの最後の守備は絶対にあってはいけない。本人たちにも厳しく伝えました。負けて褒めるというのは、このチームが弱者であることを認めることになる。そんなのは認められないです」

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