豪華すぎるブラジル代表歴代ベスト11 異例の2チーム編成…史上最高クラスの天才「説明不要」

強豪国歴代ベストイレブン ブラジル代表編
1958年W杯で初優勝、次の62年も連覇。そして70年に3回目の優勝でジュール・リメ杯を永久保持することに。4大会で3回優勝の最盛期、原動力となったペレとガリンシャは外せない。2人揃った試合に負けがない史上最高クラスの天才である。
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ここで難題に突き当たった。FW5人の大盤振る舞いでもはまりそうにないのだ。黎明期のスーパースター、アルトゥール・フリーデンライヒや1938年W杯得点王でオーバーヘッドキックを世界にしらしめたレオニダス。ペレ、ガリンシャとともにプレーしたババ、マリオ・ザガロ、トスタン、さらにジャイルジーニョ、リベリーノ。ジーコ、ソクラテス、カレカ、ロマーリオ、リバウド、ロナウド、カカー、ロナウジーニョ、ネイマール、ヴィニシウスと大量に候補がいるのだ。ペレ、ガリンシャを除く3枠では少なすぎる。
2回目にして例外を作るのは本意ではないが、2チーム選ぶことにした。70年までとそれ以降に分けさせていただく。
70年以前のチームは比較的楽にセレクトできる。GKはジウマール。58、62年連覇の守護神だ。DFはカルロス・アルベルト、ベリーニ、ピアザ、ニウトン・サントス。カルロス・アルベルトは70年のキャプテンで決勝イタリア戦の4点目における攻め上がりと豪快なシュートが印象的な右サイドバック。左は「百科事典」と呼ばれたニウトン・サントス。ベリーニは連覇チームのキャプテン。ピアザは70年のCBだが南米予選ではMFだった。一種の「偽CB」だったようで当時としては画期的。
MFはジジとジェルソン。「枯れ葉」と呼ばれる落ちるFKで有名なジジはW杯史上でも最高クラスのプレーメーカーだ。抜群のキープ力と圧倒的な運動量。近年ではネイマールのトレードマークだったヒールリフトも得意としていた超絶技巧派だ。ジェルソンは左利きのロングパスの名手。70年の司令塔だった。
FWはガリンシャ、トスタン、ペレ、リベリーノ。ガリンシャは驚異的な瞬発力で対面のDFの視野から一瞬で消える能力が格別で、右足アウトを使った大きくカーブするシュートを蹴り、空中戦も強かった。あとの3人は70年のメンバーだ。トスタンは「偽9番」で、ペレとのコンビはダブル10番でもあった。柔軟な技巧と頭脳的なプレーが光る。
ペレについては説明不要だが、現在までのトリッキーな技はすでにペレが開発済みだったのは記しておくべきだろう。58年決勝で世界が目撃したDFの頭越しに浮かせてかわすシャペウ、ダブルタッチ、ルーレット、シザースなど、ありとあらゆるトリックを披露していた。少し後にその名が冠された「クライフ・ターン」もクライフより先にやっていた。
かつて運動量が尋常でないエンゴロ・カンテについて、「地球の70%は水で、残りはすべてカンテがカバーしている」というジョークが流行っていたが、それに倣えば「ナスカの地上絵もピサの斜塔もすべてペレの仕業」という感じだろうか。
リベリーノはそのペレを上回るほどのテクニシャン。爆発的な左足のキック、エラシコに代表される足技は驚嘆のほかない。
さて、70年以降。GKはアリソンで決まり。ジダも優れているが総合力でアリソンが図抜けている。SBは右がカフー、左がロベルト・カルロスで異論ないと思う。CBはチアゴ・シウバ、ルイス・ペレイラ。ともにフィジカル抜群、それ以上に読みの冴えが素晴らしい。
MFにはマルロ・シウバとエメルソン。どちらもTHEボランチ。安定感抜群。攻撃陣を支えるにはこの2人が必要だ。
問題のFWはまずロナウド、ロマーリオが外せない。残り2枠、左はネイマールかリバウドかで迷ったが歴代最多得点のネイマールとする。右は自由人枠としてジーコ、カカー、ロナウジーニョの中から、最も自由が似合うロナウジーニョ。
攻撃過多なのでどこまで強いのかはともかく、最も多くのファンを獲得できるメンバーだろう。

西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。


















