森保Jエースに“直撃取材”「盗めるものがある」 21歳でW杯へ…若武者が描く逆転プラン「唯一の道」

後藤啓介は代表合宿でエース上田綺世のもとへ「聞きやすかった」
ベルギーの地で、今1人の若武者が鮮烈な輝きを放っている。同国1部シント=トロイデンVV(STVV)のFW後藤啓介。191センチの長躯に柔らかな技術を兼ね備え、新天地へ移籍した2025年は公式戦20戦10得点2アシストと急成長を遂げる。20歳にして欧州の荒波に揉まれるストライカーは昨年11月に日本代表デビューを飾った。夢の舞台へ——。6か月後に迫る北中米ワールドカップ(W杯)出場の現実味が増すなか、新星が「FOOTBALL ZONE」の独占インタビューに応じた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞/全3回の3回目)
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まだ見ぬ舞台へ思いが加速した。11月の代表ウィーク。日本代表の活動に初参加した後藤の姿は、ひときわ目立っていた。10月にブラジル代表を倒し、北中米W杯へ本気の強化を続ける森保ジャパンを目の当たりにし、自ら行動して貪欲に吸収。特にエースFW上田綺世(フェイエノールト)を見つけると、真正面から食らいついた。肩を叩いて、話しかける。ストライカーとして疑問をぶつけた。
「綺世くんとは、初対面じゃなくて。実際フェイエ(ノールト)の試合も行ったりしましたし、綺世くんがセルクル・ブルージュの時にお世話になっていた方々と一緒にご飯したりして、連絡を取らせてもらったりしていた。聞きやすかったというのもありますし、実際エールディビジで今18ゴールと積み上げている。あと、自分が見ていたファン・ペルシー(監督)のもとで綺世くんは教わっている。盗めるものがありますし、学べるところがあると思った。積極的に行きました」
同じポジションを争うライバル。だが、日の丸を背負う仲間としてともに高め合っていくのが森保ジャパン。実際上田には、ポストプレーやディフェンダーの背後を狙うランニング、ビルドアップとワンプレー、ワンプレーに注目して細かく質問した。
「別に同世代だろうが上だろうが、ライバル視はしていない。チームが勝てればそれでいい。誰が出ても勝ちに貢献できていれば、どんな役割でもいいかなと感じています」
ただ、柔軟な考えを持つ一方で、代表という特別な場所がある思いを芽生えさせた。20歳で感じたトップ・オブ・トップの世界。W杯優勝を目指す集団は後藤にとって刺激的だった。
初の日本代表では課題も明確に「筋力は上げていかないと」
「ホテルからスタジアムに向かう時のサポーターの熱量。満員のスタジアム。あそこで戦う責任感というのを肌で感じました。国を背負う、街を背負う。それは今のSTVVでも同じことだと思った。サポーターの熱量を改めて代表で感じた。シントトロイデンの街のために戦いたいと改めて思いましたね」
20歳で代表デビューを果たし、国際Aマッチ2試合を経験。その視線の先にあるのは、2026年に開催される北中米W杯。そして2028年のロス五輪だ。東京、パリとあと一歩でメダルに届かなかった歴史を、自らのゴールで塗り替える——。だが、その思いだけで終わらないのが後藤だ。
「21歳でW杯にいく、それが自分で決めたプラン。そこはぶらさずにやっていきたい。そのあとのロス五輪にももちろん出たい。自分が歴史を変えたいと思います。その反面、クラブが『出したくない』と思うような、替えのきかない選手になりたい。そのためには、もっと強度を上げないといけない」
だからこそ課題は明確。かつてジュビロ磐田アカデミー時代に指導を受けた前田遼一コーチからは「ユースの時よりも良くなっている」と評価を受けた。ただ、W杯ではオランダ、チュニジアとの対戦が決定。決勝トーナメントではブラジル、モロッコなどの強豪と対戦する可能性があり、ベスト8以上に進むためには個全体のレベルアップは必要不可欠。後藤自身もメンバー入りに向けて前田コーチから伝えられた「半身での収め方」の課題と向き合っていた。
「代表のフィジカルコーチにも言われましたけど、筋力は上げていかなきゃいけない。まだフィジカルがある方ではないので、今は両手を使って相手を抑えている。筋力がつけば片手で制するようなプレーをトライしていかないといけない。手の使い方、コンタクトのタイミング……。今やっていることの強度をさらに上げた状態で、ゴールを取り続けることが、W杯のメンバーに食い込むための唯一の道」
有言実行。かつて17歳でのプロデビューを現実にしたように、20歳のストライカーは今、自らが描いた最高の舞台へと続く道の上に立っている。自分を信じ、そしてプランを完遂する。後藤啓介の物語は、ここから加速していく。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)

















