異例の繰り上げ出場で葛藤「色々なことを目にしたり耳にしたり」 指揮官と主将が語る“裏側”

聖和学園は日大藤沢に1-2で敗れた【写真:近藤俊哉】
聖和学園は日大藤沢に1-2で敗れた【写真:近藤俊哉】

聖和学園は日大藤沢に1-2で敗れた

 第104回全国高校サッカー選手権は1月2日に各地で3回戦が行われ、Uvanceとどろきスタジアムby Fujitsuの第2試合は日大藤沢(神奈川)が聖和学園(宮城)に2-1で競り勝った。繰り上げ出場という異例の形で全国大会を戦った聖和学園の加見成司監督は「しっかり出し切ったかなと思います」と選手たちを称えた。

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 日大藤沢が前半30分に先制したゲームだったが、ハーフタイム直前にゴール前にこぼれ球をFW布施唯斗(3年)が蹴り込んで聖和学園が追いついた。どちらに転んでもおかしくないゲームが展開される中で、後半19分にコーナーキックから日大藤沢が勝ち越しゴール。聖和学園は試合終了間際にゴール前まで攻め込むも、一歩及ばずに敗れた。

 聖和学園は宮城県大会決勝で敗れ、その後に優勝した仙台育英が出場辞退。それに伴う繰り上げで、全国大会出場となった。聖和学園にも8月下旬から9月にかけての夏休み期間中に複数のサッカー部員が飲酒や喫煙をしていたことが発覚していたが、県大会前までに日本サッカー協会と全国高体連に報告し、そこに関わった選手以外で出場していた。

 このような経緯もあり、加見監督は「相手校のことに関してはなんとも言えない」としたうえで、「事実は、県の決勝で負けて、優勝チームが辞退して準優勝チームに回ってきたものだったので。色々なことを目にしたり耳にしたり、出てみたら、やっぱり出なかった方が良かったんじゃないかと、もしかしたら思うかもしれないけど、それでも覚悟を持ってやるのかという話をした時に、全員で手挙げてやりたいということだった」と、チーム内でも出場に対して意思統一を図り、目線を揃える時間があったと明かす。

 そのうえで「たくさんの高校生がここを目指してサッカーをやっている中で、こういう形で出場させてもらった気持ちと感謝の思いを忘れず、しっかりとこの次に生かしてほしいなと思います。選手権は憧れの場所で、どういう形であれ出場できたので、最低限いいパフォーマンスして頑張ろうっていう話をしてきたので、しっかり出し切ったかなと思います」と、チームの戦いについて話した。

 キャプテンを務めたDF猪股蓮太郎(3年)は「ずっと選手権が夢でサッカーを始めたので、ここで終わりにするってのはずっと決めていたんです」と話し、上を目指すサッカーには一区切りをつけて大学に進学するという。この大会に向け「本当にこのような機会をもらったなら、もう一度やれるなら、全員でもう一回まとまってやろうっていうのをずっと促しながら。いつも以上に周りを見て気遣いながら、誰1人欠けることなく全員でやっていきたいって思っていました」と、チームと向き合いながらやってきたという。

 そして「人生の糧になるというか、本当にこの大会に出られて、色々なことを経験できたし、こんなにサッカーが楽しいんだなっていうのがもう一回、自分の中で分かったし、本当に色々な人に感謝しかないです。後悔がないって言ったらウソになりますけど、チームとしても個人としてもいいサッカーができたと思うので、本当に良かったかなと思います」と、全力を出し切った充実感と悔しさの入り混じった感情を話し、激動の中で高校サッカーを締めくくった。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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