2得点の裏にあったゲキ「王様を気取ってるんじゃない」 思い出した半年前…初の全国Vへ「自分はできる」

2ゴールを決めた有川啓介【写真:近藤俊哉】
2ゴールを決めた有川啓介【写真:近藤俊哉】

日大藤沢FW有川啓介は2得点でチームを初戦突破に導いた

 第104回全国高校サッカー選手権2回戦が12月31日に各地で行われ、Uvanceとどろきスタジアムでは岡山学芸館(岡山)と日大藤沢(神奈川)が対戦し、日大藤沢がエースFW有川啓介の2ゴールで2-0の勝利を収めた。殊勲の有川だが、周囲も彼自身も、この活躍に満足はしていなかった。

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 10月に右膝の靱帯損傷で離脱を強いられた有川だったが、約1か月後の神奈川県予選決勝の直前に負傷から復帰。決勝戦でも決勝ゴールを決め、チームの全国大会出場に貢献した。そして全国大会の初戦でも2ゴールを挙げたが、日大藤沢の佐藤輝勝監督は前半にGKとの1対1の決定機を決めきれなかったエースに、ハーフタイムで発破をかけていたという。

「いろんなことを乗り越えて来た子なので、ちょっとのことならできると思っています。でも前半で決めてほしかったですね。本人も自覚していたので『活躍できないようでは、次(の選手)があるよ』と厳しく言って。結構、(HTには)言いました。味方を信じてシンプルにやりながら、最後は自分に戻ってくるんだから。そこのリズムが一番悪い。事実としてチームで一番(ボールを)失っていたのが有川だったので、そこをどう改善するかを本人に確認しました。後半は良く期待に応えてくれました」

 有川は監督からHTに「王様を気取っているんじゃない!」と言われたことを明かし、自分でもプレーに献身性が足りていなかったことに気づくとともに、ある試合を思い起こしたという。その試合は、この会場で6月に行われたインターハイ予選の桐光学園戦。日大藤沢は0-2で敗れたが、失点のきっかけになったのは有川のボールロストだったという。

「本当に前半、今日と同じような試合展開で。自分たちがボールを握っているなかで、点が取れなくて。(後半にボールを)失った瞬間ピンチになって、夏は負けたんです。(ボール)ロストした時の切り替えであったり、そこの丁寧さはもっとこだわるようにと言われました」

 この時の反省を生かし、有川は後半15分に自ら得たPKを決めると、同34分にはヘディングからダメ押しゴール。夏からの成長をしっかりと見せた。「監督は、よく『できないことは要求をしない』って言うんです。自分ができるという期待を込めて言ってくれているので、そこは『自分はできるんだ』と思いながら、後半にプレーを改善することができたと思っています」。

 実際、佐藤監督の有川に対する期待値は高い。「性格はFWっぽい。それはすごい大事なことで、牙を折ってはいけなくて。ただ、チームとして自分たちがリズムを作れないと点数を奪えないチーム作りをしているので、チームが生きて有川も生きる。それを3年生になってだいぶ理解してくれました。前半は『やろう、やろう』と思ったのだと思いますが、速いし、強いし、タフになりました。相手のセンターバックの足が止まったところを逃さないスプリントも、最後の最後までやってくれたので。本当に将来、面白くなるんじゃないかなと思っています。まだまだダメなところはダメですが、面白い、活躍できる選手になると思っています」と、ポテンシャルに太鼓判を押した。

 桐光学園戦と真逆のスコアにできたが、有川は「(勝って)もちろん嬉しい気持ちもありますが、自分たちが目指しているのは全国制覇ですし、自分個人としては得点王を目指しているので。前半、自分のなかでは決定機が2本あったと思っているので、そういうのを決めていかないと、得点王にはなれないし、チームを負けさせてしまうと思うので、そこはもっと改善したい」と、自身の成長した点よりも、改善すべき点にフォーカスした。

 選手権では、大会中に大きく成長する選手が出てくるが、チームの絶対的エースである有川も、まだまだ成長過程にある。彼がどこまで潜在能力を開花させることができるかは、日大藤沢だけでなく、神奈川県勢にとっても悲願の全国初優勝へのカギになるかもしれない。

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