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解任危機のインザーギ監督はミラン迷走の犠牲者?
元ユベントス監督がピッポを擁護
成績不振で解任危機に直面しているACミランのフィリッポ・インザーギ監督について、混沌としたクラブ内部事情の犠牲になっていると擁護する声がイタリアサッカー界で上がっている。衛星放送「スカイ•イタリア」で、元イタリア代表DFで元ユベントスのチロ•フェラーラ監督が語ったもの。
「インザーギと私のケースは共通点が多い。ともに監督経験が少なかったけれど、偉大な挑戦を引き受けた。インザーギの直面している苦難はそのままクラブの苦難から起因している。連帯感もなく、不安ばかり広がっている。私と違う結末になれば嬉しいが、今や彼の友人までもが背を向けている」
現役時代にイタリア代表でともに戦ったピッポの状況をフェラーラ氏は自身の経験と照らし合わせて案じていた。ユベントスの黄金時代で活躍した同氏は引退後にイタリア代表のスタッフを務めていたが、2009年5月にトップチームの監督経験なきままユベントスの暫定監督に就任。2年契約を結んだが、翌年欧州CLグループリーグ敗退などを理由に解任された。
インザーギ監督も昨オフ、トップチームの指導経験ないまま、シルビオ•ベルルスコーニ会長から白羽の矢を立てられたが、チームは赤字経営の問題などで巨額の移籍金を必要とする大物選手を補強できず、日本代表FW本田圭佑、元フランス代表FWジェレミー•メネズなど移籍金ゼロの選手の補強が目立っている。更に会長の娘であるバルバラ•ベルルスコーニ社長と強化責任者アドリアーノ•ガリアーニCEOの対立が地元メディアに報じられるなど、クラブ内の状態も混沌としている。
サポーターの英雄である“スーペルピッポ”がミランで孤立無援状態とあると、フェラーラ氏は指摘している。
ミランでは前任者のクラレンス•セードルフ監督は昨年1月、ブラジル強豪ボタフォゴで現役生活を続けていたにも関わらず、引退を要請し、指揮官への就任を要請した。そこまでして監督に推したミランの英雄を昨季限りで解雇している。結果が全てのカルチョの世界とはいえ、レジェンド2人に厳しい仕打ちを見せるミランというクラブのマネジメント能力を疑問視する声はイタリアで大きくなっている。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images