アフロへアの衝撃 豪州地元紙の日本を破ったUAEのアブドゥラフマンを絶賛

トッティの伝説の美技を再現

 日本代表は、アジアカップ準々決勝UAE戦でPK戦の末に敗れた。その一戦で、青いユニホームの前で、強烈な輝きを放った選手がいる。
 UAEのアフロヘアのオマル・アブドゥラフマンだ。日本代表は120分の死闘を終え、FW本田圭佑(ACミラン)が1人目のキッカーとして登場した。だが、まさかのキックミス。放ったシュートは、バーのはるか上を通過した。その余韻の残るANZスタジアムに、UAEの背番号「10」が登場した。
 対峙するGK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)の動きを読み切った様に、ゴール中央に柔らかなチップキック。ローマのFWフランチェスコ・トッティが、2000年の欧州チャンピオンズリーグ準決勝・オランダ戦のPK戦でGKエドウィン・ファン・デルサールから決めた伝説の美技を再現。クッキアイオ(イタリア語でスプーン)と呼ばれる技で観衆1万9094人のみならず、日本代表にも衝撃を与えた。
 PK以外でも異彩を放った。後半4分にもFWマブフートに鮮やかなループパスを通し、あわや追加点の場面も演出している。
 オーストラリア地元紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」は「エクセレントなオマル・アブドゥララフマンは、壮麗な手法で後半の幕を開けた。日本DF陣の頭上にデタラメなパスを通し、マブフートも華麗に合わせかけた」と報じている。
 テクニックやパスセンス、ゲームメーク能力はまさに「10」番を背負うにふさわしい。日本代表MF長谷部誠(フランクフルト)のマークをものともせず、突破する前半の力強さは大器の予感を漂わせた。
 欧州のビッグクラブが注目する逸材でもある。英紙「デイリー・ミラー」はマンチェスター・シティ、リバプールというプレミアの強豪と、トルコの名門ガラタサライが獲得に乗り出していることをかつて報じている。
 母国のUAEリーグのアル・アインでプレーする新鋭は、日本撃破の主役を演じた。この大会後、ボンバーヘッドの衝撃とともに欧州へと渡るかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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