日本代表DFが投資を公表する理由「胡散臭く思われますけど…」 海外で実感した“価値”「流れ変えたい」

ベルギー1部ユニオンSGからドイツ1部ホッフェンハイムに移籍
ドイツ1部ホッフェンハイムへの加入が決まった日本代表DF町田浩樹が先月22日、不動産投資クラウドファンディングサービス「COZUCHI」が都内で開催したサッカー教室に参加した。鹿島アントラーズで選手としてのキャリアを積みながら、早稲田大学の通信教育課程に入学し、2022年に卒業。企業に投資を行うなどサッカーとビジネスを結びつける“異色のサッカー選手”に今後の目標を聞いた。(取材・文/FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎)
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ーー今回のイベントでは集まった約90人の小学生たちと交流した。
「僕も普段はヨーロッパに住んでいて、日本の子供たちと触れ合う機会がないので、こういう機会を作ってくださって感謝しています。こういう活動をすることで日本サッカーの熱というか、日本全体でサッカーを応援してもらえるというのはすごく大事なことなので。来年は北中米ワールドカップ(W杯)があるので、国全体で盛り上げてくれたら嬉しいなと思います」
ーー2023年にはオランダを拠点としたゲーム・メディアスタジオ「Murasaki」に投資した。
「Murasakiに関しては、自分が興味を持っている分野、特にスポーツベッティングだったり、ファンタジースポーツの発展を目指している会社なので、僕自身興味があったので投資させてもらいました」
ーーサッカーを活用してビジネスを行い、それを社会にも還元する発想は大事なことだと思うが、いつからそのように考えるようになったのか。
「本当にここ数年だとは思いますね。サッカー選手は本当にサッカー選手しかやってきませんでした、みたいな選手が多いので、そういう選手にはなりたくないと思っていて。できるだけ、色んな人と会うことだったり、色んな分野に触れることだったり、自分が興味ある分野の人に会うことは常に思っています。それは海外にいても同じで、好奇心が旺盛なのかなと思います」
ーーサッカーとは違う分野の経営者たちと話すのは勇気がいることだと思うが、得られるものは。
「そうですね。でもビジネスとスポーツってすごい親和性あるかなと思っていて。チームで何かを成し遂げるという点は、会社も一緒だと思います。色んな刺激があるので、人と会うことは楽しいですね」
ーー海外ではよりスポーツとビジネスが結びついている。日本でもそういう取り組みがようやく増えてきた。
「今後もやっていきたいなと思いますね。スポーツ選手が投資をすることって、海外では結構普通で。テニスのフェデラーや、バスケのステフィン・カリーや、ゴルフのタイガー・ウッズだったり、みんな公に投資をして、それで逆に自分の価値を高めることもあると思います。日本的にはこう胡散臭く思われるというか、よく思われないので、そういう流れは変えていきたいなと思いますね」
ーーW杯アジア最終予選では7試合に出場。左足から繰り出す斜めのくさびのパスは日本代表でも大きな武器となっている。
「やっぱり左利きなのでその特徴を出したいと昔から思っていて。左でオープンに持って、相手がずれたタイミングでパスを差し込むのは、自分の武器だとは思いますね。あとは代表も3バックになって、より自分の特徴は出しやすくなかったかなとも感じます。W杯アジア最終予選は力の差がちょっとある相手でしたけど、ここからW杯に向けて相手のレベルが上がってくると、差し込む場面も減ってくるのかなとは思います。サイドにも(三笘)薫だったり、武器のある選手が多いので、そこの使い分けはうまくやっていきたいと思います」
ーー来年には北中米W杯がある。メンバーに選ばれれば、初めての大舞台となる。
「やっぱり前回のカタール大会では同世代の選手が活躍しているのを見ていましたし、特に薫は一緒にユニオン・サンジロワーズで半年間やった後に、W杯に出ていたので。ユニオンのチームメートと試合を見ながら『薫やったぞ』みたいなのを見ていたし。自分もそこに『立たなきゃいけない』という自覚というか責任感もあったので。今シーズン、しっかりいいパフォーマンスをして選ばれたいなと思います」
(FOOTBALL ZONE編集部・井上信太郎 / Shintaro Inoue)