“現実”突きつけられた浦和「制裁を受けた」 3戦全敗、9失点…課題が露呈も「もう一回出たい」

浦和は3連敗で大会敗退が決まった【写真:Getty Images】
浦和は3連敗で大会敗退が決まった【写真:Getty Images】

浦和は2022年ACL王者として出場した

 インテル戦は相手を明確な格上と認めた上で、10に1つ2つの勝ちをこの短期決戦でいかに引き寄せるかという基準で見れば、浦和が持つ力をかなり引き出せた試合だった。やはり前半11分という速い時間帯に、金子のクロスから渡邊凌磨がしっかりと決めて、UEFAチャンピオンズリーグのファイナリストから先制点を奪うという大きな仕事をやってのけた。

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 ただ、浦和のリードが早かったことからインテルは中盤でボールを動かしながら、じわじわと浦和に体力的、精神的なストレスをかけており、それが終盤の2得点に繋がった。ただ、やはりここでも勿体なかったのは同点ゴールがセットプレーからだったこと。イタリア代表MFニコロ・バレッラのボールをアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスがアクロバティックに捉えたゴールはディフェンス側として対応が非常に難しかった。

 1-1に追いつかれた状況から、大きな差が出たのは交代カードの効果だ。CWCからインテルを率いるクリスティアン・キヴ監督が投入した選手がことごとく活躍する形で、最後は2次攻撃からシュートのこぼれ球を20歳のアルゼンチン人MFバレンティン・カルボーニに押し込まれた。相手との力の差はリーベルプレート戦よりあったが、勝負という基準では勝ち点3を取れてもおかしくない状況から、セットプレーで追い付かれて、最後は逆手されてしまったというのは残念だし、この結果によって3試合目を待たずに敗退が決まってしまった。

 モンテレイ戦はそれらの2試合とも違い、浦和としては相手を徹底的に対策するよりも、世界の舞台で自分たちらしく戦っていくというプランで、実際に序盤から惜しいチャンスも作った。それだけに、前半30分に遠目からコロンビア人のMFネルソン・オデッサに無回転シュートで決められた1失点目は悔やまれるところだ。シュート自体は経験豊富なGK西川周作であっても、かなり止める難易度は高かった。

 それ以前に、遠目からでもボール保持者に余裕を与えすぎると、世界では積極的にゴールを狙われるということが改めて示された。そこから右側を破られて、アルゼンチン人のFWヘルマン・ベルテラメにワイドな位置から決められた2点目、さらにメキシコ代表FWヘスス・コロナに1点目と同じ無回転で決められた3失点目と、わずか8分間で3点を叩き込まれたことで、前半で大勢が決してしまった。

 後半、相手に対する守備をタイトに仕切り直した浦和は松尾佑介がゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定に嫌われるなど、諦めない姿勢で点をとりに行ったら、最後は裏返しの攻撃でダメ押しの4点目を再びベルテラメに決められて、結局4失点で完敗した。ディフェンスリーダーのマリウス・ホイブラーテンは「自分たちが思ってるような堅さ、ソリッドさは表現できなかったです。9失点というのはもちろん突破には繋がりません。持ち帰って、しっかりと整える必要があります。このレベルで制裁を受けてしまった」と認めた。

 浦和としては色々なものを学べた3試合だったことは確かだが、本気で決勝トーナメントを目指したにも関わらず、3戦全敗というリアルな結果をどう受け止めて、ここからJリーグに向き合っていくのか。3試合とも途中出場だったMF松本泰志は「もう1回出たいと思いますし、もう1回出て結果を残したいっていう思いがより強くなったので、そこを勝ち取るために、すごい険しい道のりですけど、出るために頑張りたい」と語った。そうした思いを浦和の選手たちが、どうJリーグにぶつけていくのか注目していきたい。

浦和が得た“教訓”

 インテル戦は相手を明確な格上と認めた上で、10に1つ2つの勝ちをこの短期決戦でいかに引き寄せるかという基準で見れば、浦和が持つ力をかなり引き出せた試合だった。やはり前半11分という速い時間帯に、金子のクロスから渡邊凌磨がしっかりと決めて、UEFAチャンピオンズリーグのファイナリストから先制点を奪うという大きな仕事をやってのけた。

 ただ、浦和のリードが早かったことからインテルは中盤でボールを動かしながら、じわじわと浦和に体力的、精神的なストレスをかけており、それが終盤の2得点に繋がった。ただ、やはりここでも勿体なかったのは同点ゴールがセットプレーからだったこと。イタリア代表MFニコロ・バレッラのボールをアルゼンチン代表FWラウタロ・マルティネスがアクロバティックに捉えたゴールはディフェンス側として対応が非常に難しかった。

 1-1に追いつかれた状況から、大きな差が出たのは交代カードの効果だ。CWCからインテルを率いるクリスティアン・キヴ監督が投入した選手がことごとく活躍する形で、最後は2次攻撃からシュートのこぼれ球を20歳のアルゼンチン人MFバレンティン・カルボーニに押し込まれた。相手との力の差はリーベルプレート戦よりあったが、勝負という基準では勝ち点3を取れてもおかしくない状況から、セットプレーで追い付かれて、最後は逆手されてしまったというのは残念だし、この結果によって3試合目を待たずに敗退が決まってしまった。

 モンテレイ戦はそれらの2試合とも違い、浦和としては相手を徹底的に対策するよりも、世界の舞台で自分たちらしく戦っていくというプランで、実際に序盤から惜しいチャンスも作った。それだけに、前半30分に遠目からコロンビア人のMFネルソン・オデッサに無回転シュートで決められた1失点目は悔やまれるところだ。シュート自体は経験豊富なGK西川周作であっても、かなり止める難易度は高かった。

 それ以前に、遠目からでもボール保持者に余裕を与えすぎると、世界では積極的にゴールを狙われるということが改めて示された。そこから右側を破られて、アルゼンチン人のFWヘルマン・ベルテラメにワイドな位置から決められた2点目、さらにメキシコ代表FWヘスス・コロナに1点目と同じ無回転で決められた3失点目と、わずか8分間で3点を叩き込まれたことで、前半で大勢が決してしまった。

 後半、相手に対する守備をタイトに仕切り直した浦和は松尾佑介がゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定に嫌われるなど、諦めない姿勢で点をとりに行ったら、最後は裏返しの攻撃でダメ押しの4点目を再びベルテラメに決められて、結局4失点で完敗した。ディフェンスリーダーのマリウス・ホイブラーテンは「自分たちが思ってるような堅さ、ソリッドさは表現できなかったです。9失点というのはもちろん突破には繋がりません。持ち帰って、しっかりと整える必要があります。このレベルで制裁を受けてしまった」と認めた。

 浦和としては色々なものを学べた3試合だったことは確かだが、本気で決勝トーナメントを目指したにも関わらず、3戦全敗というリアルな結果をどう受け止めて、ここからJリーグに向き合っていくのか。3試合とも途中出場だったMF松本泰志は「もう1回出たいと思いますし、もう1回出て結果を残したいっていう思いがより強くなったので、そこを勝ち取るために、すごい険しい道のりですけど、出るために頑張りたい」と語った。そうした思いを浦和の選手たちが、どうJリーグにぶつけていくのか注目していきたい。

(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)



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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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