日本代表で出場ゼロも…2か月ぶり先発「貢献できた」 38歳の長友佑都「危機感が強い」

FC東京の長友佑都【写真:Noriko NAGANO】
FC東京の長友佑都【写真:Noriko NAGANO】

アシストで勝利貢献の長友佑都「コンディションが良い証拠だと思う」

 J1リーグは6月25日、第15節延期分の2試合を行い、日産スタジアムでは横浜F・マリノスとFC東京が対戦した。中2日での一戦となったアウェーのFC東京は、前節の第21節ガンバ大阪戦(0-2)からDF室屋成とMF高宇洋の2選手を除く9選手を入れ替え、日本代表DF長友佑都も第12節のG大阪戦(1-0)以来、9試合ぶりの先発出場を果たした。

 ベスト8敗退で終わった2023年のカタールでのアジアカップ後から日本代表に復帰した長友だが、北中米W杯アジア最終予選では出場機会はゼロ。自身は5度目のW杯出場を目指しているが、FC東京でも絶対的なレギュラーではない。

 それだけに2か月ぶりの先発起用でどのようなプレーを見せるかは注目を集めたが、右サイドバックに入ったこの試合では、横浜FMのキーマンの一人であるFWエウベルをしっかり封じ込めた。

「コンディションは上がってきている」と言う38歳は、「今日は相手に強力なウイングがいたので、そこをしっかり止めるところ、そこを止めて攻撃に絡んでいくことを意識してチームに貢献できたので、良かったなと思います」と、自身のプレーを振り返った。

 試合を視察した日本代表の森保一監督も「さすがだなと思っています。守備からしっかり入るところでマリノスの3人のFWに対して厳しくマークしようということが、FC東京のゲームプランにはあったと思います。その意味で対峙するエウベル選手に振り向かせない、間合いを空けないでタイトに厳しく常にプレッシャーをかけるところは流石だなと思って見ていました」と、その守備力を称賛した。

 長友は守備面ではなく、攻撃面でも存在感を示す。後半6分、ゴール前に侵入してシュートを放つと、ボールは流れて最終的にFW野澤零温の先制ゴールをアシストする形となった。

 流れてきたボールを押し込み、長友にアシストを付けた野澤零は「佑都さんとは試合中もそうだし、練習のときもすごく会話をしている。すごくやりやすいし、あのゴールは佑都さんのおかげ」と、J1初先発に華を添える形となったゴールについて、17歳上の先輩に感謝した。

 長友自身は「けっこう良い攻撃もできていましたし、チャンスも作れていたので。中で絡んだりしながら、ペナルティエリアの中に入っていこうという意識はあったので。それがしっかり出せて、自分のところでは決まらなかったんですけど、ちゃんとあそこにいるっていうことは非常に大事なことだし、コンディションが良い証拠だと思う」と、コンディションが上がっていることを強調した。

 残留争いに巻き込まれているなかで、最下位の横浜FMとの試合は重要な一戦だったが、長友は厳しい表情を見せ続けていた。「別に(勝っても)自信にもならないし、次、勝たないと意味がないとまでは言いませんが、これで満足していたら危ない状況になるという危機感のほうが強いです。また中2日で試合があるので、フィジカルコンディションを整えて、もう一回気持ちを引き締めて次に臨みたいなと思います」と、快勝だったからこそ、浮かれてはいけないという姿勢を貫いた。

(河合 拓 / Taku Kawai)

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