マイクを通して「水を持って行って!」 日本代表がステージから叫び…体調不良者“救出”の舞台裏

板倉滉と堂安律がイベント中に見せた好対応
日本代表DF板倉滉は6月22日に神戸市内で、MF堂安律とのトークショーやサッカー教室イベント「KCP」を開催した。4年前から実施し日本国内を訪れている同イベント。兵庫県で6都道府県目を迎え、多くのファン・サポーターが訪れた。堂安とのトークショーでは酷暑だったこともあり、ファンが体調不良になる場面も。だが、2人はステージ上から的確な指示を出して場をコントロールしていた。日本代表コンビの人柄が溢れた舞台裏を明かす。
雨予報はどこへやら。気温30度を超える快晴となった神戸市。約1時間のトークショーは堂安の結婚式秘話からスタートし、大きな盛り上がりを見せていた。軽快なトークを繰り広げ、2人の掛け合いは思わず周囲を引き込んだ。だが、酷暑だったこともあり、観客席で体調不良のファンが出てしまった。ステージ上から異常を察知した板倉はすぐさまマイクを通して指示を出した。
「大丈夫? スタッフ、水を持って行ってあげて!」
名指しで舞台上からコントロールして、堂安も「涼しいところに連れて行ったら?」と続く。緊迫した空気が1、2分場内に流れた。すると板倉はまたしてもマイクを通して話した。
「あんまり見ちゃったらしんどくなっちゃうかもしれないしね。グッズの紹介でもしよう!」
1人のファンに注がれていた視線を自らに戻し、堂安もすぐに「このタンブラーいいね!」とトークを展開した。そのおかげで治療に集中でき、ファンも担架で運ばれる際に2人へジェスチャーを交えて無事を伝えた。板倉は「良かった、みんなもちゃんと水飲んでね」と周囲に注意喚起。質問コーナーで子どもが舞台上に上がる際にも「一口、水飲んでからにしよう!」と促した。2人が何度も何度もステージ上から呼びかけ、約8時間に及んだイベントは大成功を収めた。
さすが日本代表。臨機応変に対応する“アドリブ力”で体調不良となったファンも、周囲も助けた。もちろん、トークショーの内容も聞き応えあるものだったが、2人の人柄が多くのファンの心を掴んだと感じた。板倉“座長”が牽引した大規模なイベント。阪神・淡路大震災から30年の節目を迎えた神戸を元気づけたのは間違いない。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)