クラブW杯に異変「客席ガラガラ」 野球選手、インフルエンサー起用で集客も…「FIFAにとって大失態」

開幕前から「正当性に疑問符がついていた」
FIFAが主催するクラブワールドカップ(W杯)が思わぬ苦境に陥っている。現地時間6月16日に開催国アメリカで行われたチェルシー対ロサンゼルスFCの一戦は、スタジアムの3分の1にも満たない観客数にとどまり、「FIFAにとってまた一つの大失態となった」と米メディア「BroBible」が報じている。
【PR】ABEMA de DAZN、日本代表選手の注目試合を毎節2試合無料生中継!
舞台となったメルセデス・ベンツ・スタジアムは収容7万1000人だが、「入場者数はわずか2万2137人だった」と報告されている。
開幕戦ではアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ率いるインテル・マイアミとアル・アハリが激突し、ハードロック・スタジアムには6万人超のファンが詰めかけた。しかしそれ以降は観客数が激減し、「すでに正当性に疑問符がついていたクラブW杯にとって、さらなる打撃となった」と同メディアは指摘する。
パリ・サンジェルマン対アトレティコ・マドリード戦は、ローズボウルに8万619人を集め、「観客数としては成功を収めた」とされた一方、他の試合では空席が目立った。パルメイラス対ポルト(4万6275人)、シアトル・サウンダーズ対ボタフォゴ(3万151人)は、いずれも収容人数を大きく下回り、「空席が目立つ結果となった」と報じている。
FIFAは本大会の宣伝費として5000万ドル(約78億円)以上を投じ、その中には多様なマーケティング手法が含まれていた。「野球記者を起用してサッカーをアメリカ人に解説させたり、都市部の高速道路には巨大広告も展開していた」と伝え、「料理系インフルエンサー」「発明家系インフルエンサー」など、サッカーとは無関係な領域にも拡散を図ったが、FIFAが狙った“新規層”の取り込みは結果に結びつかなかった。
さらに現地時間17日に行われた浦和対リーベルプレートでは1万1974人、蔚山対マメロディはわずか3412人と観客数の少なさは大きな問題となっている。
従来の7クラブから32クラブに拡大して実施されている今大会。FIFAにとって低調な集客は「大きな教訓」として残るだろう。