TikTokで大人気も…苦言は「めっちゃ言われます」 田中パウロ淳一が発信を続ける理由

田中パウロ淳一が積極的にSNS投稿を続ける訳とは?【写真:徳原隆元】
田中パウロ淳一が積極的にSNS投稿を続ける訳とは?【写真:徳原隆元】

栃木シティ加入前は「試合とかがあるとやってほしくないとよく言われて」

 日本サッカー界に、新たな風を吹かせるJリーガーが現れた。J3首位を走る栃木シティのFW田中パウロ淳一は、TikTokを駆使するインフルエンサーとして話題を集めると、ピッチ上でも全12試合で5ゴール5アシストと大活躍。一躍ときの人となった31歳に、動画投稿や発信を続ける理由を聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全6回の2回目)

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「昔からバズったりしていたんですけど、試合とかがあるとあまりやってほしくないとよく言われていて。クレームもめっちゃ入ってると聞いたので、今まであまりやらせてもらえなかったんです。みんな新しいものが嫌いで、僕みたいなタイプは必要ないので、試合だけ頑張ればいいというのが当たり前でした」

 そんな田中に転機が訪れたのが2023年、前年まで所属していたJ3の松本山雅FCから契約満了となり、当時関東1部の栃木シティに移籍。「僕たちこれからのチームはそれだけじゃ集客できないし、ほかの人と同じようなことばかりやっていても目に触れる機会がなかなかないので」と動画投稿に力を入れるようになった。

「大栗崇司社長にも言われたんですけど、毎日のようにやることにしました。むしろやらなかったら言われますから。負けた日や試合前日とかはあまりしないですけど、できるだけ毎日するようにしていて。ほかのチームじゃ許されないと思いますけど、何言われても動じずやっています」

 Jリーグ復帰を目指してサッカーに打ち込みながら、その合間を縫って動画投稿をコツコツと続けてきた田中。そんな努力が一気に爆発したのが、今シーズンのここまでだ。田中の投稿は今まで以上にバズり、それと同時に栃木シティの快進撃までクローズアップ。両者にシナジーが生まれ、J3の主役となっている。

「今はどちらかというと、新規を取り込む必要があると感じています。チーム的にも試合に勝つことでお客さんは増えるけど、SNSでも見てもらえる機会が増えたらもっと広めやすい。『あっ、栃木シティ知ってる』となれば、より見てもらいやすい環境になると思うので。そう考えたら、やりがいはありますね」

 田中に発信を続ける理由を問うと「J1は言いすぎですけど、ランクを上げていきたいからですね」との答えが返ってきた。「YouTuberとしてもやっていけると思いますが、ほかのYouTuberやSNSをやっている人と違うところを見せたいのは、やっぱり自分はサッカーの実力があると思っているので」と力を込める。

「栃木シティでそれを見せるためには、観客動員とかもありますし集客を上げていかないといけない。あとはテレビとかに出る機会を増やさないと、もうちょっと露出しないと。栃木県での知名度というのも栃木SCとかにも勝っていかないと、上には行けないと思っているので。そのために発信を続けています」

 想像以上の反響に「もうちょっと早くからやっておけば良かったんですけど、今までは許されてこなかったので。外からはめちゃめちゃ言われますけど、関係ないので」と笑顔を見せる田中。人気者になった一方で、それをよく思わない人が出てくるのも世の常。苦言を呈されることも「全然あります」と明かす。

「サッカーに集中してないってめっちゃ言われますけど、だからこそ試合に出続けなくちゃいけないとも思っていますし。だから、SNSは自分のことを首絞めながらやっているとは感じていますけど」

 特に若い世代のファンも多いことから、「SNSをやる以上は変なプレーはできないっていうのと、子供たちに見せるプレーをしなくちゃいけないなというのは感じています」と熱く語る。「目立ってなんぼ」の精神を持ちながら、常にサッカーのことを第一に考えている田中。これからも楽しませてくれそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



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