名門消滅でオファーも破談 日本人監督が中国クラブ再建へ…現地賛否「厳しい」「希望」

前田浩二氏が広西平果の新監督に就任(写真は2014年)【写真:産経新聞社】
前田浩二氏が広西平果の新監督に就任(写真は2014年)【写真:産経新聞社】

かつてアビスパ福岡などを指揮した前田浩二氏が広西平果の新監督に就任

 中国甲級リーグ(2部相当)の広西平果は5月9日、前田浩二氏が新監督に決まったと発表した。日本人監督の就任に現地では悲観と期待の両方の声が寄せられている。

 現在56歳の前田氏は、アビスパ福岡、WEリーグのINAC神戸レオネッサなどで監督を務め、2015年に中国へ渡った。現地では女子の浙江莱茵達を皮切りに、陝西省男子チーム、広州恒大の下部組織、武漢三鎮U-17チームを率いたほか、上海申花のアシスタントコーチなどを歴任。昨年は中乙(3部相当)の海口名城で指揮を執った。

 そんな前田氏が就任した広西平果は昨季8位も、今季8試合で2分6敗と最下位に沈む。戦力流出が激しいため、現地ファンからはネット上に前田氏の監督就任を期待する声がある一方、「このメンツじゃ誰が率いても残留は厳しい」といった厳しい意見も見られる。

 前田氏は今シーズン開幕前に広州FCの監督就任が決定的だったが、同クラブの解散によって破談していた。現地メディアではその後も広州の育成施設に滞在していたと報じられており、その関係か前田氏とともに就任が発表された中国人アシスタントコーチ2人は、広州FCで育成に携わっていた人物。かつてのアジア王者でありながら解散した広州だが、その育成施設からは多くの若手有望株が輩出されている。サポーターたちは、前田氏やアシスタントたちのコネクションから「広州FC出身の有望な若手を引っ張ってきてほしい、そうすれば希望はある」との期待を寄せた。

 前田氏は今年で中国滞在が10年目を数えるも、2部以上での監督を務めるのは初めて。最下位のチームをどこまで引き上げられるか注目されるが、優勝経験ある上海申花、武漢三鎮、広州といった名門クラブからオファーを受けていたことがあり、その経歴からも現地ファンの期待は大きい。また中甲リーグでは南通支雲の篠田善之監督、遼寧所属のMF邦本宜裕がおり、日本人対決にも注目が集まる。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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