衝撃のスーパーゴールは「最初から狙っていた」 “布石”となった欧州27歳日本人の仕掛け【見解】

セルティックの前田大然【写真:Getty Images】
セルティックの前田大然【写真:Getty Images】

【専門家の目|太田吉彰】「最初からシュートまで狙っていたんだと思います」

 スコットランド1部セルティックの日本代表FW前田大然がスーパーゴールを決めた。現地時間11月27日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のクラブ・ブリュージュ戦に同MF旗手怜央、同FW古橋亨梧とともにスタメン出場。後半15分に決めた衝撃的な同点ゴールに元日本代表MF太田吉彰氏は「角度的にもあそこしかない、スーパーゴールです」と驚愕した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

【PR】ABEMA de DAZN、明治安田J1リーグの試合を毎節2試合無料生中継!

   ◇   ◇   ◇   

 1点ビハインドで迎えた後半15分だった。ペナルティーエリア左へ走り込んでパスを受けると、ワンタッチ目で右に切り返す。すぐさま右足を振り抜くと、シュートはゴール右のサイドネットに突き刺さり、今季CL3ゴール目となった。

 このプレーを見た太田氏はゴールにつながる前の動きに注目した。「このプレーの直前、ボールをもらったあとに縦に一度仕掛けているんです。その後、一度、前田選手がボールを下げると、相手がDFラインを上げました。それによって、その後、前田選手が走り込むスペースができました。スペースができたので突破を仕掛け、切り返してシュートの意識があったはず。プレーのスタート段階で最初からシュートまで狙っていたんだと思います」と分析する。

 角度のないところから決めた衝撃的な一撃。そこには前田の武器が詰まっていた。「中を確認していないので、シュートを打つ意識しかなかったでしょうね。もともとイメージを持ってこのプレーをしている。角度はないけど、絶対に打つぞ、と。すべてにおいて一瞬の判断の良さが詰まっている。前田選手はもともと一瞬の動き出しはピカイチですが、より磨きがかかり、さらに判断スピードもついたので相手としては対応するのが相当難しいと思います」。元代表選手ですらも目を細めたくなるスーパーゴールだった。

page1 page2

太田吉彰

おおた・よしあき/1983年6月11日生まれ、静岡県出身。ジュビロ磐田ユース―磐田―仙台―磐田。J1通算310試合36得点、J2通算39試合4得点。トップ下やFW、サイドハーフなど攻撃的なポジションをマルチにこなす鉄人として活躍した。2007年にはイビチャ・オシム監督が指揮する日本代表にも選出。2019年限りで現役を引退し、現在はサッカー指導者として子どもたちに自身の経験を伝える活動をしている。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング