日本のように「評判を上げる」行為を 中国戦の妨害に代表OB喝「つまらんことはしないに限る」【見解】
【専門家の目|金田喜稔】中国戦の試合中、日本の選手がレーザー照射攻撃の被害
森保一監督が率いる日本代表(FIFAランキング15位)は11月19日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第6戦で中国代表(同92位)と対戦し3-1の勝利を飾り、W杯出場に王手をかけた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、日本の選手が被害に遭ったレーザーポインターの照射について「つまらんことはしないに限る」「日本サポーターのように自国や自国代表の評判を上げることに注力したほうがよっぽど良い」と諭した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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アウェーの中国戦に勝利した日本は、最終予選6試合を終えて5勝1分、勝ち点を16に伸ばした。W杯出場に大きく前進する1勝を挙げた一戦では、GK鈴木彩艶ら日本代表の選手が試合中にレーザーポインターの照射の攻撃を浴びるなど、思わぬハプニングに見舞われていた。
「わしらの時代はレーザーポインターで何かされるという行為はなかった。レーザーを当てられた鈴木彩艶のコメントを見ても全く気にしていないようだし、気にしないメンタルの強さも一流選手の証なのだろう。とはいえ、レーザーが目に照射されれば、健康被害も起こり得るし、ボールを蹴る時などは気が散って、多少なりとも影響が出るかもしれない」
日本代表の選手を気遣った金田氏だが、その一方でサッカーの楽しさを毀損する行為に対しては苦言を呈した。
「一般のファンはサッカーを存分に楽しみたいわけで、妨害を楽しんでいるわけではない。つまらんことはしないに限る。妨害行為をすることで、自国や自国代表の評判を下げるし、マイナスプロモーションにしかならない。何か行為をするならば、日本サポーターのようにゴミ拾いしたり、相手のサポーターにリスペクトを示したり、自国や自国代表の評判を上げることに注力したほうがよっぽど良いし、結果的に自国サッカー界のためにもなる」
妨害行為も意に介さず白星を手にした日本は、来年3月20日のバーレーン戦に勝利すれば、3試合を残す形で日本史上最速となる8大会連続のW杯出場が決まる状況。ホームで大声援を受けながら、W杯出場を決められるか注目が集まる。
(FOOTBALL ZONE編集部)
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。