タレント多数の日本代表に「重要なミッション」 OB指摘、W杯への未来を握る鍵【見解】
【専門家の目|太田宏介】アウェー2連戦の注目ポイントを考察
森保一監督が率いる日本代表(FIFAランキング16位)は10月15日、ホーム(埼玉スタジアム)で行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4戦でオーストラリア(同25位)と対戦し、1-1の引き分けとなった。日本はこれで最終予選3勝1分。勝ち点10でグループ首位に立つなか、元日本代表DF太田宏介氏が今後の展望を独自の視点から語っている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
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初戦ホームで中国を7-0と圧倒した日本は、続く第2戦でバーレーンを敵地で5-0撃破。アウェーの地でサウジアラビアと対戦した第3戦でも2-0の勝利を飾る。15日に埼玉スタジアム行われたオーストラリア戦は不運なオウンゴールもあり苦戦を強いられたものの、1-1のドローで勝ち点1を獲得した。
日本は今後、11月にアウェー2連戦(15日インドネシア戦/19日中国戦)が待ち構える。太田氏は「勝ち点1の引き引き分けを引きずらない、うまく切り替えることが大事です。またヨーロッパ組は一度所属クラブに戻って、再度予選でアジアに帰ってくる。この1年の中でもかなりタフなシーズン時期になるので、まずは怪我をしないことですね」と、11月の注意点を指摘した。
次のインドネシアについては「オーストラリア、サウジアラビアと引き分けていますからね。アウェー特有の難しさもあります」と印象を語る。ただそんなインドネシアも、第4戦の中国とのアウェー戦で1-2と敗れる形に。中国には前回7発快勝の日本だが、リベンジマッチとなるもう一方の相手にも警戒は必須だ。
太田氏は試合の注目ポイントとして「先制点」の重要さも説く。「向こうもホームで勝たなければならない状況になってくると思うので、前がかりになって出てくるはずです。そういったところでカウンター狙うとかも大事になりそうですね」と予想し、「凄くアウェーの試合でハマると思いますけどね」とスピードが持ち味のFW前田大然をキーマンとして推している。
また「ここからもっと強豪国とかになってくると、それこそ前田選手の前からのプレスみたいなところは、ミスを誘ったりとかカウンターそこから発動させたりっていうところで、かなり有効的になると思います」と太田氏は語っており、アジア予選を勝ち抜いた際のW杯本線でも重要な存在になると見ているようだ。
FWでは途中出場が続く小川航基にも言及。太田氏はオランダ1部エールディビジの試合解説を務めており、NECナイメヘンに所属する小川の活躍を見守ってきた。「上田綺世選手と小川航基選手はずっと見ていて…。特に小川選手は最近調子がいいので、スタートで見てみたいですね」と2人のポジション争いも楽しみな要素の1つだと語った。
そのうえで、前線で豊富なタレントが揃う現在の日本代表について「この前線の強烈な個のクオリティーを森保監督がどうやってマネジメントして、どうモチベーションをコントロールできるかっていうのは、森保監督を含め、代表スタッフのこれからの重要なミッションになると思います」と指摘。さまざまなパターンを試すなかで、選手起用にも注目していた。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)
太田宏介
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。