守備陣で意識統一 日本代表が“失点”から崩れず…板倉滉が明かす「前の選手信じて」の意味

3バックの一角で奮闘した板倉滉【写真:徳原隆元】
3バックの一角で奮闘した板倉滉【写真:徳原隆元】

板倉が失点後の対応を語る

 日本代表は10月15日の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4節でオーストラリア代表と対戦し1-1のドローで終えた。4試合連続で先発したDF板倉滉は最終予選初の失点も「焦ることはなかった」と、日本の冷静な試合運びを振り返った。

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 ここまで最終予選3試合無失点だった日本だが、キャプテンのMF遠藤航が体調不良で不在となった一戦では、後半13分にオウンゴールから先制点を許す展開に。それでも途中出場のMF中村敬斗がサイドからドリブルで崩し、相手のオウンゴールを誘発し1-1のドローに持ち込んだ。

 最終ラインの板倉は、「ホームだったので、もちろん勝ち点1ではなく勝ち点3を取って、サポーターの皆さんの勝利を届けたかった思いはありますけど、これが最終予選というか、やる前からそう簡単ではないなというのは分かっていました。その相手に対して勝ち点1をとれたことは、ポジティブに捉えていいんじゃないかなと思います」と、試合全体を振り返る。

 この試合、日本はほとんどの時間でボールを保持したが、守備を固めた相手に攻めあぐねた。板倉は「やっぱり相手も5枚でうしろを作っていたし、中を固めている印象もあったので、もちろん簡単ではなかったですけど、そのなかでもサイドからの攻撃だったりでチャンスを作れていたと思うので。前の選手が点を取ってくれるかなと信じてうしろは守っていました」と守備陣で意識統一されていた点を語る。

 板倉自身も相手のパスをカットするだけでなく、効果的に1タッチで味方にボールをつなげ、左に展開すると見せて右のMF久保建英にパスを通すなど、良い守備から良い攻撃という森保監督の掲げるコンセプトを随所に体現していた。

 そんななかで先にゴールを許すことになったが「焦ることはなかった。もちろん1失点せずにゼロで終えられたら良かったですが、絶対に(最終予選を)やっているなかで失点というのはこれからもあると思います。逆に今まで無失点でくることができていたからこそ、1失点したことでメンタル的にも難しくなるっていうのは何となく予想はしていました。試合前から、例え失点してもちゃんと『1(失点)』で推移していく。そこからズレないようにというところを話していたので、それはできたんじゃないかなと思います」と、先制されてからも崩れずにシュートを打たせなかった手応えを口にした。

 もう一つの好材料は、途中出場した選手たちが攻撃にアクセントを加え、中村が同点ゴールを演出したことだろう。「本当にいい選手が準備できているなという印象があるし、ベンチにいる選手も本当にゲームを変えられる選手が多いので。今日も実際に途中から出た選手が結果を残してくれましたし、それは今のこの選手層の厚さの一つかなと思います」と、現在のチームの選手層の厚さを板倉も実感している。

 今回の最終予選で初めて勝ち点3を挙げられなかった日本だが、板倉の言うように、初の失点となる先制点を喫しても崩れなかったこと、日本の選手層の厚さを確認できたこと、そして何より勝ち点1を取り、相手に勝ち点3を与えなかったことは、ポジティブに捉えることができるだろう。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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