なでしこJの救世主へ…20歳が見せた“最強武器” 日本代表OB「澤穂希さんのようになるかも」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】敗れたスペイン戦で輝いた藤野あおばを称賛
なでしこジャパン(日本女子代表)のMF藤野あおばは、現地時間7月25日に行われたパリ五輪のグループリーグ初戦スペイン戦(1-2)で先制の直接フリーキック(FK)を突き刺して存在感を示した。元日本代表DF栗原勇蔵氏も「攻撃の核になっている」とし、今大会のキーマンに挙げている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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現在20歳の藤野は十文字高から2022-23シーズンにWEリーグの日テレ・東京ヴェルディベレーザに加入。同シーズンはリーグ戦20試合に出場してリーグ3位タイの11得点、23-24シーズンは21試合に出場してともにリーグ3位タイの9ゴール6アシストと攻撃を牽引した。
代表シーンでも、2022年のU-20ワールドカップ(W杯)に出場したのち、同年9月になでしこジャパンにデビュー。昨年のW杯メンバーにも選出され、日本代表のW杯最年少ゴールを記録した。
そして、自身初となる五輪ではボランチでスタメンデビュー。前半13分には、中央やや右サイドの位置で獲得したフリーキック(FK)のキッカーを務めると、右足でニアサイドを狙い、相手GKカタ・コルもセーブしきれない位置にゴールを突き刺し、なでしこジャパンにとってのパリ五輪初得点を挙げた。
藤野と一緒に“草フットサル”をプレーした経験を持ち、同じピッチでボールを蹴ったという元日本代表DF栗原氏は「入りそうだなと思った」と話す。
「藤野は壮行試合のガーナ戦でも(後半22分に)直接FKを決めていたので、かなりの武器になる。男子と女子の差が一番大きいのがGK。そのなかで、ああいうシュートを打たれると、なおさらGKは取れない。男子顔負けのスピードでコースも良かった」
栗原氏は藤野をすでに池田太監督率いるチームの「中心選手で攻撃の核になっている」と評価する。
「スピードもあるし、テクニックもある。点を取れる雰囲気を持っているし、FKもどこからでも狙える。(日本女子サッカー界のレジェンドである)澤穂希さんのような選手になるかもしれない。第2戦以降のキーマンなのは間違いないでしょう」
7月28日のブラジル戦以降も、藤野のプレーから目が離せない。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。