開幕2連勝のFC東京に息づく“リアリズム” 豪華陣容が「良くなくても勝つ」先に目指すスタイル

2試合連続の無失点と守備陣も安定

 鹿島戦に続く無失点勝利を実現した守備陣も、連勝の大きな要因だ。森重と丸山祐市の日本代表センターバックコンビに、終盤はDF徳永悠平を投入してさらに頑丈な守備陣形を敷いた。そして最後方に控える195センチの長身GK、林彰洋の存在も大きい。地上戦での好セーブだけでなく、1-0とリードして以降は大宮が仕掛けてきたサイドからのロングボールに対しても飛び出して、制空権を譲らなかった。

 連動性こそまだ発展途上かもしれないが、FC東京の選手は異口同音にこう表現した。

「今は『良くなくても勝つ』というのが大切」(大久保嘉)

「勝って自信をつけていくことが大事」(DF室屋成)

 スタイル構築にこだわりすぎることで勝ち点3を逃すのではなく、選手それぞれが今できることを100%ピッチで表現し、勝利を積み重ねていく先にスタイルがある――。FC東京はそんな“リアリズム”を持って2017シーズンを歩み始めている。

【了】

茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング