モドリッチの代表引退「可能性は高い」 ラストで無慈悲…ルーニーも同情「見ているのが辛くなる」

クロアチアの主将ルカ・モドリッチ【写真:ロイター】
クロアチアの主将ルカ・モドリッチ【写真:ロイター】

試合後には「サッカーは時として残酷」との言葉を残した

 欧州選手権(EURO)は現地時間6月24日にグループリーグB組の最終戦が行われ、イタリアとクロアチアの試合は1-1で引き分けた。ラストプレーでの同点劇で敗退が濃厚なクロアチアの主将MFルカ・モドリッチは、試合後に「サッカーは時として残酷だ」と述べたと英公共放送「BBC」が報じた。

 試合前の時点で勝ち点1だったクロアチアはイタリア戦の勝利が必要だった。そして、0-0で進んだ試合の後半立ち上がりに相手のハンドでPKを獲得。ここでモドリッチがキッカーに立った。ゴール右下をインサイドで丁寧に狙ったが、これをイタリアGKジャンルイジ・ドンナルンマにセーブされた。しかし、そのこぼれ球がつながり一度最終ラインまでボールが戻ってやり直しになった攻撃で、モドリッチは倒れ込みながらゴール前のこぼれ球を押し込んでPK失敗を帳消しにする先制点を決めた。

 モドリッチが交代で退いたのち、後半アディショナルタイムも刻々と過ぎて、もはやラストプレーというタイミングでイタリアは最終ラインからDFリッカルド・カラフィオーリが中央をドリブルで持ち上がると、ペナルティーエリア手前で左サイドへパス。そこにタイミングを合わせて走り込んできたザッカーニが左45度付近からワンタッチで合わせると、ゴール右上に巻いてくるシュートが決まった。

 この劇的な一撃で試合は1-1で終わり、イタリアが勝ち点4で2位の座を確保して決勝トーナメント進出。クロアチアは勝ち点2の3位になり、他国の結果次第でベスト16進出の可能性はわずかに残しているものの、突破はかなり厳しい状況となった。

 モドリッチは試合後に「何と言ったらいいのか……。サッカーは時として残酷だ」という言葉を残したという。

 BBCで解説者を務める元イングランド代表ウェイン・ルーニー氏は「ルカ・モドリッチのクロアチア代表でのラストゲームが今日なのだろうかと思うと、見ているのが辛くなる」とコメントし、同アラン・シアラー氏も「(これで代表引退の)可能性は高い。なんと素晴らしい選手で、なんと素晴らしい人物か。彼にとってもチームにとっても、あのような結末は同情せざるを得ない」と話したとしている。

 2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)での準優勝など、クロアチア黄金世代の象徴とも言えたモドリッチはこれが最後の大舞台になってしまうのだろうか。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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