北朝鮮は「すごく荒いわけではなかった」 日本代表OBが「別のチーム」と感じた後半の脅威【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】国の威信を懸けた国際試合で「もちろん激しさはある」
森保一監督率いる日本代表は、3月21日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の北朝鮮戦を1-0で勝利した。終盤は押し込まれ、相手の激しいプレーに苦しめられたが、日本代表OB栗原勇蔵氏は「すごく荒いわけではなかった」と見解を述べている。
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日本は前半2分、MF堂安律のラストパスからMF田中碧が押し込み、電光石火の先制ゴールを奪った。その後も押し気味にゲームを進め、追加点は奪えなかったものの、1-0で逃げ切った。
ボール支配率65.5%対34.5%、シュート数15対5(前半10対0、後半5対5)と試合をとおしては日本の優勢も、後半には北朝鮮に押し込まれ、相手のシュートがポストを直撃するピンチもあった。
また、後半25分以降は北朝鮮が危険なファウルで日本をなんとか食い止めるシーンが増加。同28分には、DF菅原由勢がDFリ・イルソンに足裏タックルを受けて負傷してピッチを離れ、DF橋岡大樹と交代。その2分後にも中盤でFW前田大然がパスを出したあとに、DFカン・グチョルにタックルを受けてピッチに倒れ込んだ。立て続けのファウルに対して、日本の選手たちはアデル・アリ・アハメド・ハミス・アルナクビ主審に抗議し、スタジアムも騒然。カン・グチョルに対してはイエローカードが出された。
それでも、2011年11月15日に平壌で行われたブラジルW杯アジア3次予選北朝鮮戦に出場していた日本代表OB栗原氏は、北朝鮮の印象について「大事な国際試合なので、もちろん激しさはある。(前田)大然への足裏タックルはやらなくてもいいというか、印象は悪くなってしまうものでしたけど、前回対戦した時も荒いかと思っていたなかで実際はすごく荒いわけでもなかった」と語る。
「前半は練習にもならないような相手だったのが、後半になって急にインテンシティーが上がった。中盤でボールを受けて前を向いたり、上手さを感じるプレーもありました。前半と後半で全く別のチームになったので、最初からあれをやられてたらいい勝負だったかもしれない」
3月26日に予定されたアウェーでの北朝鮮戦は平壌開催が中止。開催地は不透明な状況だが、北朝鮮が侮れない相手なのは変わりない。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。