冨安の北朝鮮2連戦不在は「痛い」 日本代表OBが期待する“ディフェンスリーダー”は?【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】板倉の相棒を谷口にするか町田にするか注目
森保一監督率いる日本代表は、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で3月21日(ホーム/国立競技場)と26日(アウェー/金日成競技場)に北朝鮮と2連戦を行う。14日に日本代表メンバー26人が発表され、冨安健洋(アーセナル)は“ぶっつけ本番”の状況を回避して招集外。ディフェンスリーダーを欠くなかで、日本代表OB栗原勇蔵氏は不安要素とともに、期待する選手を挙げている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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アジアカップでベスト8敗退に終わった森保ジャパンは、3月21日にホーム(東京)、26日にアウェー(平壌)で北朝鮮とW杯アジア2次予選を戦う。
3月14日にメンバー26人が発表され、37歳の長友佑都(FC東京)、今季公式戦12ゴールの小川航基(NECネイメヘン)が代表復帰を果たした一方、腰を痛めている三笘薫(ブライトン)、伊東純也(スタッド・ランス)、そしてアジアカップ後は公式戦に出場していない冨安はメンバーから外れた。
森保監督は3月14日の会見で、招集外となった冨安について「まだプレーしていない、試合に出場していないことが大きな理由」と明かしていた。
「彼が確実にリカバリーしていて、試合に出場できる状態にあるのは確認している。そういう意味では、招集してプレーしてもらうことは可能だったかもしれないが、プレーしていないということでそう決めた。プレーヤーズファーストで考えないといけない。次の試合は間違いなく激しく厳しい試合になる。そこで、プレーしていない状況で、それでもプレーしてもらうこともあるかもしれないが、今回は怪我のリスクを考えて。どれだけのプレーができるかも確認できていないので招集外にした」
今回、冨安を欠くセンターバック陣は谷口彰悟(アル・ラーヤン)、板倉滉(ボルシアMG)、町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)、渡辺剛(ヘント)の4人。サイドバック候補の伊藤洋輝(シュツットガルト)、橋岡大樹(ルートン・タウン)もセンターバックとしてプレーは可能だ。
北朝鮮のサッカースタイルが未知のなかで、冨安影響の不在はどれだけあるか。日本代表OB栗原氏は、「冨安の不在は痛い。しかも、北朝鮮の戦力、どんなサッカーをしてくるか、正直不透明な部分が多い。かつてのようなパワープレーで来るなら、冨安の不在は想像以上に響くことになるかもしれない」と警戒する。
日本はアジアカップ5試合すべてで失点(計8失点)し、守備の不安を覗かせた。栗原氏は、アジアカップの準々決勝イラン戦で決勝PKを献上してしまった板倉の奮起に期待する。
「アジアカップの悔しさもあるでしょうから、板倉にはディフェンスリーダーとして期待が懸かります。ここでバシっと締めてくれなかったら、難しい試合になる。切り替えて、『板倉は凄い』というところを示してほしい。相棒を谷口にするか、町田にするか、1つの鍵だと思います。普通の海外と北朝鮮は別物で、何回行っていたとしても慣れない場所。試合に関しては平常心を保つこと。北朝鮮の雰囲気に呑まれなければいいけど、アジアカップでは中東の空気に呑まれかけた。あの経験を生かしてほしいし、谷口は年齢でも上なので、平常心でやってほしい。どうしていくか、メンタル面はチーム内で話し合ってほしいですね」
板倉を中心に、冨安不在の穴を埋めたいところだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。