森保J、3月シリーズで“呼んでみたい選手” 日本代表OBが「岡崎慎司」みたいと期待するのは?【見解】

栗原勇蔵氏が3月シリーズで招集希望の選手に言及【写真:ロイター】
栗原勇蔵氏が3月シリーズで招集希望の選手に言及【写真:ロイター】

【専門家の目|栗原勇蔵】高さも備えた好調・小川航基は魅力的

 森保一監督率いる日本代表は3月14日、21日(ホーム/国立競技場)と26日(アウェー/未定)に開催される北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の北朝鮮との2連戦に向けたメンバー発表を行う。MF三笘薫(ブライトン)が怪我で離脱中、MF伊東純也(スタッド・ランス)も所属クラブでリーグ戦には出場しているが、招集に関しては不透明な状況。現役時代に北朝鮮との対戦経験を持つ元日本代表DF栗原勇蔵氏に、3月シリーズで“呼んでみたい選手”について訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 昨年11月のW杯アジア2次予選でミャンマー、シリア相手にともに5-0で快勝した日本は、年明けにカタールで開催されたアジアカップで無念のベスト8敗退。W杯予選が3月から再開するが、いきなり“未知”の北朝鮮との2連戦となる。

 不安要素はやはり攻撃か。三笘が腰の怪我で全治2~3か月を要することがブライトンのロベルト・デ・ゼルビ監督から明かされ、森保監督も3月シリーズでは招集しない意向を示唆。また、アジアカップで途中離脱した伊東も、現時点では招集や起用が不透明と言わざるを得ず、両サイドの軸を欠くことになるかもしれない。

 2011年11月15日に行われた平壌での北朝鮮戦を経験している日本代表OB栗原氏は、オランダ1部NECナイメヘンでプレーするFW小川航基を呼びたい選手の1人に挙げる。

「北朝鮮戦でテストするとなれば難しさも伴いますが、最近で言えば、公式戦で12ゴール(リーグ戦23試合8ゴール)を挙げている小川航基は呼んでほしいです。上田綺世が1トップのレギュラーであることに変わりはないかもしれない反面、フェイエノールトで苦戦している事実もある。北朝鮮の守備陣に高さが足りないようなら、小川の高さ(身長186センチ)が生きるかもしれない」

 アジアカップではFW上田綺世(フェイエノールト)、浅野拓磨(ボーフム)、細谷真大(柏レイソル)の3人が起用されたが、22歳の細谷はグループリーグ初戦のベトナム戦で先発起用されながら結果を残せなかった。上田は全5試合に出場して4得点と結果を残したとはいえ、2月27日のKNVBカップ準決勝カンブール戦で後半15分にハーフボレーで同点ゴールを決めるなど、今季公式戦11ゴールを記録している小川は、2019年以来の代表復帰が期待される選手の1人だろう。

広島新加入FW大橋祐紀は「森保監督もリストには入れているはず」

 日本はアジアカップでロングボールへの対応に手を焼き、グループリーグでイラク、準々決勝でイランに1-2で敗れた。栗原氏は「ロングボールを蹴ってくるような大味な試合をされたほうが日本は嫌。綺麗なサッカーをしてくるほうがそこまで難しくないのかもしれない」と分析しつつ、「ロングボールをガンガン入れてくることを想定して跳ね返せる選手、簡単に蹴らせないでプレスをかけられる選手を置くとか、いつもの日本らしいサッカーをやれる人も選ばないといけない」と語る。

 栗原氏は「最終ラインは新顔を呼ぶ“チャレンジ”は正直しづらい」と率直な感想を吐露。一方で、前線からのプレス力も踏まえ、J1リーグ開幕3試合でチームトップの3ゴールを記録しているFW大橋祐紀(サンフレッチェ広島)は興味深い存在だと語る。

「湘南(ベルマーレ)時代からいいプレーを見せていた大橋とか呼びたいですね。走れるし、身体も強いし、自分でも行けるし、ゴール前での嗅覚もある。森保監督もリストには入れているはずだし、ああいうタイプを置いておいたら面白いと思います。ずば抜けたものはないから選びづらいかもしれないですけど、ステータス的にすべての面でレベルが高い。岡崎(慎司/シント=トロイデン)みたいな感じ。1トップがベストだけど、インサイドハーフでうしろから飛び出しても行けるので、組ませる選手はやりやすいはず。攻撃陣は調子がいい選手を選ぶべきだと思う。スポット的に使って刺激を入れるのもいい」

 ジュビロ磐田の28歳FWジャーメイン良も開幕2節目の川崎フロンターレ戦で1試合4得点と爆発し、栗原氏は「スピード、馬力もあって、日本代表でプレーできるポテンシャルを備えている」と評価しつつ、「まだ粗削り」と冷静に指摘していた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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