J1大阪勢が躍進の予感…戦力アップクラブは? 西日本勢「主役候補チーム」4傑【コラム】

西日本勢4クラブをピックアップ【写真:徳原隆元 & Getty Images】
西日本勢4クラブをピックアップ【写真:徳原隆元 & Getty Images】

新シーズン開幕へ効果的な補強に成功した西日本勢4クラブをピックアップ

 Jリーグ32年目のシーズン開幕がいよいよ目前に迫った。J1各クラブは新たな戦力を揃えて臨むなかでこのオフ、効果的な補強に成功したクラブはどこか。東日本、西日本のクラブに分けてそれぞれ4つを厳選。今回は西日本編をお届けする。

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■ガンバ大阪
(主な新加入選手)
MF 山田康太(←柏レイソル)
MF 鈴木徳真(←セレッソ大阪)
DF 中谷進之介(←名古屋グランパス)

 昨季は16位と残留争いに巻き込まれたG大阪だが、積極補強で巻き返しの体制を整えている。

 昨季はリーグワーストの失点数を記録した守備のテコ入れとして、堅守の名古屋から中谷進之介を獲得。対人能力と統率力を備えた新たなディフェンスリーダーが、守備組織の立て直しのカギを握る。

 中盤に加わった山田康太は技術と機動力を兼備した好タレント。高い位置で起点となりながら、ハイプレスで守備のスイッチを入れられる存在だ。清水エスパルスから加入した岸本武流のマルチな能力も重宝されるだろう。

 サンフレッチェ広島とのプレシーズンマッチでは躍動感溢れるサッカーを体現し、勝利を掴んでいる。2月に加入が決まったウェルトン・フェリペ(←レフスキ・ソフィア)がフィットすれば、近年の低迷期を抜け出し、大きな希望を見出せるかもしれない。

■セレッソ大阪
(主な新加入選手)
MF ルーカス・フェルナンデス(←北海道コンサドーレ札幌)
DF 登里享平(←川崎フロンターレ)
DF 田中駿汰(←北海道コンサドーレ札幌)

 実績十分のタレントを迎え入れたC大阪にも躍進の予感が漂う。目玉は札幌から加わった田中駿汰だろう。

 札幌では不動の存在として最終ラインを支えたが、新天地ではボランチ起用が濃厚か。守備力に加え、果敢な持ち上がりや配球能力も備えており、新たな中盤の軸として期待が懸かる。

 経験豊富な登里享平も攻守両面でチームに貢献できる存在。単騎突破で敵陣を切り裂けるルーカス・フェルナンデスもチームの新たな武器となるだろう。

 もっとも終盤に得点力不足に陥った昨季の課題を踏まえれば、より重要となるのはヴィトール・ブエノ(←アトレチコ・パラナエンセ)かもしれない。トップ下やインサイドハーフとして起用が濃厚なこの新戦力が、額面どおりの働きができれば優勝争いにも絡めるはずだ。

広島は理に適った補強策で、期待の新戦力を1本釣り

■ヴィッセル神戸
(主な新加入選手)
FW 宮代大聖(←川崎フロンターレ)
MF 井手口陽介(←セルティック)
DF 岩波拓也(←浦和レッズ)

 悲願の初優勝を成し遂げた昨季の主力が概ね残留した一方で、各ポジションに実力者を迎え入れ、選手層の拡充に成功した。

 やや層が薄かった最終ラインには、岩波拓也が7年ぶりに復帰。中盤には長期離脱中の齊藤未月と同タイプの井手口陽介を獲得できたのも大きいだろう。

 前線に加わった宮代大聖は、センターフォワードにもウイングにも対応し、大迫勇也のバックアップに留まらず、レギュラー争いに加わってもおかしくないタレントだ。

 ほかにもV・ファーレン長崎から加入した鍬先祐弥や鹿島アントラーズから加わった広瀬陸斗も他クラブであれば十分にレギュラーを張れる人材。主力の顔ぶれは昨季と大きく変わらないだろうが、頼もしい新戦力たちがポジション争いを活性化し、チーム力の底上げを導くはず。新たな王者が今季もリーグの主役となる可能性は十分だ。

■サンフレッチェ広島
(主な新加入選手)
FW 大橋祐紀(←湘南ベルマーレ)
MF 小原基樹(←水戸ホーリーホック)※レンタル復帰
DF イヨハ理ヘンリー(←京都サンガF.C.)※レンタル復帰

 例年、ピンポイント補強でチーム力を高める術に長ける広島だが、今季も理に適った補強策で、期待の新戦力を1本釣りした。

 2年連続で3位に終わった広島に足りなかったのは、決定力に尽きるだろう。昨季はリーグ最多のシュート数を記録しながら、得点の数はリーグ7位の42に留まった。チャンスを作りながらも決め手を欠く課題をいかに解消するかが、今オフの補強テーマだっただろう。

 白羽の矢が立ったのが大橋祐紀である。昨季、湘南で遅まきのブレイクを果たしたストライカーを、他クラブとの争奪戦を制して見事に獲得。目立った補強は大橋のみだが、レンタル先で経験を積んだ小原基樹、イヨハ理ヘンリーもバックアップとして計算の立つ貴重な戦力だ。就任3年目を迎えるミヒャエル・スキッベ監督の下で、2015年以来のタイトル奪還への機運は高まっている。

(原山裕平 / Yuhei Harayama)



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原山裕平

はらやま・ゆうへい/1976年生まれ、静岡県出身。編集プロダクションを経て、2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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