オランダ→J初挑戦の29歳DFが決勝弾「嬉しい」「フロンターレはみんな質が高い」

ファンウェルメスケルケン際のゴールが決勝弾に【写真:徳原隆元】
ファンウェルメスケルケン際のゴールが決勝弾に【写真:徳原隆元】

ファンウェルメスケルケン際が詰めたことでゴールにつながる

 日本サッカーのシーズン幕開けを告げる、昨季のJ1王者ヴィッセル神戸と天皇杯王者の川崎フロンターレが対戦するFUJI FILM SUPER CUP(富士フイルムスーパーカップ)が2月17日に国立競技場で行われ、川崎が新加入DFファンウェルメスケルケン際の決勝ゴールにより1-0の勝利。日本でのデビュー戦を飾ったサイドバック(SB)は「家族も来てくれたなかでゴールでき、勝てて嬉しい」と喜んだ。

 ファンウェルメスケルケン際は、オランダ人の父と日本人の母を持ち、ヴァンフォーレ甲府の下部組織でプレーしながら高校を卒業するとオランダでのプレーを選択。1部、2部の双方で合計9シーズン半プレーし、その間には2016年のリオデジャネイロ五輪を目指すU-23代表チームに招集されてトゥーロン国際に出場していた。この世代は現日本代表キャプテンのDF遠藤航やMF南野拓実が中心選手で、川崎MF大島僚太もともに戦っていた。

 プロのキャリアで初めてJリーグでプレーすることになるシーズン、この富士フイルム杯で右SBとしてスタメン出場。前日会見で「前に行った時はアシストできる立ち位置、点を取れる立ち位置、どこに立っているかを見てもらうのも楽しい部分だと思う」と話していたが、前半11分にはその言葉の通りにペナルティーエリア内まで入り込み、ヘディングシュートで際どいコースへのループシュートを放った。

 そして後半3分、川崎は右サイドでフリーキックを獲得するとゴール前へクロス。神戸GK前川黛也がショートバウンドで弾いたが距離が出ず、MF山口蛍のクリアに詰めたファンウェルメスケルケン際がブロックしたボールがそのままゴールへ。そのままベンチへ駆け寄ったが、「試合前から(ゴールを)決めたらベンチへ行って分かち合いたいと思っていた。本当に取るとは思わなかったけど、できて良かった」と、その光景を振り返って笑顔だった。

 そのまま1-0で逃げ切ったゲームを終え、「タイトルを取らないといけないシーズンで、はじめにこのチームで取れて嬉しい。国立でタイトルの懸かる試合、家族も来てくれたなかでゴールでき、勝てて嬉しい。フロンターレはみんな質が高く、練習でも100%、120%でやる。メンバーが代わってもできるのは収穫だと思う。この勢いをACL、リーグ戦につなげたい」と話した。

 日本でのキャリアが初めてになるだけに、今後さらにJリーグへの順応もテーマになりそうだが、節目のシーズンは最高のスタートになった。

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