鎌田大地は「なぜあまりプレーしてないのか」 移籍決断に「正直驚いた」…ドイツ人記者が吐露【現地発】

ラツィオでプレーする鎌田大地【写真:Getty Images】
ラツィオでプレーする鎌田大地【写真:Getty Images】

鎌田はCLバイエルン戦の後半36分から途中出場、ドイツ紙記者を直撃

 イタリア1部ラツィオに所属するMF鎌田大地は、現地時間2月14日にホームで行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16第1戦のバイエルン・ミュンヘン戦に後半36分から途中出場し、1-0の先勝に貢献した。ドイツ紙「ビルト」(https://www.bild.de/)のニコ・リンナー記者は「非常に素晴らしいビッグプレーヤー」と鎌田を高く評価する一方、ラツィオ移籍については「正直驚いたよ」と明かしている。(取材=倉石千種)

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 現在27歳の鎌田は、2015年に東山高校からサガン鳥栖へ加入。2017年にドイツ1部フランクフルトへ完全移籍すると、ベルギー1部シント=トロイデンへの期限付き移籍も経て、
再びフランクフルトで活躍し、2021-22シーズンにはUEFAヨーロッパリーグ(EL)制覇に貢献した。

 2023年夏にラツィオに移籍した鎌田がバイエルン戦に出場したなか、ドイツ人記者は日本人MFの現状をどう見ているのか。

――鎌田大地選手をご存知でしょう?

「もちろん、僕はよく知っているよ」

――ドイツで鎌田選手は活躍しましたが、現在はイタリアのラツィオであまりプレー時間を確保できていない。鎌田選手の現状をどう見ていますか?

「彼がフランクフルトをあとにして、ラツィオに移籍した時は正直驚いたよ。ドイツでは、非常に素晴らしいビッグプレーヤーだった。彼がいつかはビッグチームに移籍すると思っていた。多くのチームが彼を狙っていたからね。なぜラツィオであまりプレーしてないのか、ドイツ時代のように高いレベルのプレーができていないのかは分からない。イタリアのスタイルが、まだ彼にフィットしていないのかもしれないね。フランクフルトでは、彼のプレースタイルがすごくフィットしていた。フランクフルトで、彼はカウンター攻撃時のテクニックに非常に優れ、スピードあふれるプレーをしていた。鎌田はとても重要なプレーヤーだった。スピードのあるパスを供給し、視野の広いプレーと鋭いカウンター攻撃を得意としていた。ラツィオでは少し違うプレースタイルだね。だから彼に合わないのかもしれないし、ドイツではできていたことがイタリアではできないのかもしれない」

――イタリアはドイツよりもディフェンスが堅い?

「そうだね。よりフィジカル的だし、少し違うサッカーかもしれない。それにラツィオは守備がやや下がっている。スペースを閉じたサッカーで、あまりオープンなスタイルではない」

――鎌田の今後をどう見ている?

「イタリアのサッカーに慣れるまでに、まだ時間がかかるのかもしれない。ラツィオは鎌田を必要としているのだろうし、鎌田は実力を証明しなければならない。僕は鎌田の実力をよく知っているから、きっとイタリアでも自分の価値を証明し、ラツィオでもそのうち活躍できると思う」

――鎌田はこのままラツィオで挑戦し続け、他国リーグへ移籍しないほうがいい?

「決めるのは選手自身だ。イタリアで続けてもいいし、スペインに移籍するか、ドイツに戻ってもいい。イタリアに残っても、慣れさえすればいいプレーができると思う」

鎌田大地について語ったドイツ紙「ビルト」のニコ・リンナー記者【写真:倉石千種】

(倉石千種 / Chigusa Kuraishi)



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倉石千種

くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。

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